火曜日の早朝に消化器科の外来に通院している78歳男性が救急搬入された。当直だった整形外科医が内科当番だった若い内科の先生(地域医療研修の内科専攻医)に連絡したが、まだ病院に来ていなかったので当方に連絡が来た。
主にC型肝硬変(糖尿病も)で通院していて、処方は肝性脳症・肝不全の治療薬になっている。2月から4月まで急性胆嚢炎で入院して、手術は不可能と判断されてPTGBDでの治療が行われていた(外科で入院)。
今回は単純CTのみだが、感染症としては右胸水・無気肺があり、肺炎・胸膜炎の可能性がある。そして胆嚢が不整に腫大して、胆嚢炎と判断される。腹水が貯留して、肝臓表面の凹凸がわかりやすくなっている。
白血球22400・CRP12.2と上昇していた。当然肝機能障害があり、総ビリルビン5.8と上昇している。血液ガスを追加すると、pH7.152・PO2 127・PCO2 23.5・HCO3 7.9・BE -19.3だった。血圧が測定によって変動が大きいが70から110。
これは厳しい。両肩から胸にかけて刺青があり、付いてきた女性は内縁関係らしい。悪化した時の対応についてはどうなっていたのだろうか。これまで患者さんに長年付き合ってきた消化器科医に連絡した。
その後内科外来を診ていたが、消化器科で入院になっていた。お昼に妻との話がどうなったか聞いた。病状は相当に厳しいという話をしたところ、「これまで散々苦労してきて、もういいです」という返事だったという。DNARの方針になった。
時間の問題といえる病状で、ぎりぎりその日はもって、日付が変わったころに亡くなって当直医が確認した。