昨日の夕方に救急当番の外科医から連絡が来た。85歳男性が高熱と食欲不振で救急搬入されて、右肺炎があるので内科で入院にしてほしいということだった。
検査結果は、白血球17000・CRP13.4と炎症反応が上昇している。胸部X線・CTは、確かに右肺(S2・6・10)に浸潤影を認める。患者さんと話をすると、案外ハキハキと答えた。2年前に軽度の肺炎で入院した既往があり、その時担当していた。内科病棟に連絡して入院の手続きをした。
外科医の現病歴では先週から調子が悪く食欲もなくなったとある。クリニックを受診して、エンシュアリキッドが出されていた。最初、肺炎は先週から始まっていたのかと思った。
今月初めの6月2日(日)にも当院救急外来をめまいを訴えて受診していた。日直は神経内科医だった。発熱はなく、バイタルサインとしては問題がない。めまいはふらつくということのようだ。その時に5月30日から食欲がないと記載されている。要するに、食欲がなくて、動くとふらふらするということだった。頭部CTが施行されて、有意な異常はなかった。セファドール・アデホスが処方されていた。
その日は胸部X線が施行されていて、右下肺野内側に陰影を認める。位置的には中葉の陰影のようにも見えるが、下葉の陰影なのだろう。血液検査もされていて、白血球7200・CRP6.6と炎症反応が上昇していた(この方のふだんの白血球は4000~5000なので、軽度に白血球増加がある)。この時から肺炎があったことになる。
すると経過としては、5月30日ごろから食欲不振・ふらつきが始まり、あまりその症状が目立たずに経過して(実際は痰が絡んでいたあり、微熱があった?)、1か月弱経過したところで発熱が出現した肺炎ということなのか。
聴診所見でcoarse cracklesもなく、痰も出ない(喀痰培養が出せない)のかと思ったが、そのうち痰が絡み始めた。喀痰を出してもらうと培養に最適な黄土色の喀痰がけっこう排出された。
経過が長いので通常の細菌性肺炎ではない可能性も考えたが、セフトリアキソン点滴静注で今日は解熱して、本人も楽になりましたと言う。水分摂取に問題がなく、昼から食事を開始したが、半分は食べられた。
救急外来の看護師さんは、2L/分程度の低流量の酸素吸入でも酸素マスクを使用してしまう。この患者さんでもしていたので、鼻カニューレに替えてもらった。酸素マスクを5L/分未満の酸素流量で使用すると、マスク内にたまった呼気ガスを再吸入してしまうのでまずい。何度か言っているがまだ定着していない。