なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

わき腹が痛い

2019年07月24日 | Weblog

 月曜日に、両側わき腹の痛みが続86歳男性が内科外来を受診した。金曜日に外科医から診察を依頼されていた方だった。以前外科に尿路感染症として入院した高齢女性が、抗菌薬でも発熱・炎症反応上昇が続いて、内科に紹介された。結果的には、リウマチ性多発筋痛症で、プレドニン投与で軽快した。それがあるので、「あのリウマチなんとか?」と言われていた。

 患者さんはその先生の奥さんの父親だった。外科の外来で2回診たが、診断がつかなかったようだ。白血球数は正常域だが、CRPが10mg/dlと亢進している。実際に診察してみないとわかりませんと答えた。月曜日に内科外来を受診させるのでよろしく、と言われていた。

 診察室に入ってきた患者さんは年齢より若く見える方で、表現するとすれば老紳士だった。外科医の奥さんもいっしょに来ていた。

 5月下旬からの症状で、ずっと続いている。まず左わき腹が痛くなったそうだ。翌日か2日後に、今度は右わき腹が痛くなった。その後は左右交互に痛みが出現しているというが、本人がそう感じているだけで、両側が痛いのだった。わき腹としか言いようがないが、胸腹部の側方から背部にかけての部位だ。

 発熱はないというが、37℃代前半の微熱の時もあったらしい。安静時も軽度に痛いが、当然体動時にさらに痛い。胸部んいは異常がなく、腹部も平坦・軟で圧痛はない。痛いという部位に圧痛はなかった。脊柱や傍脊柱の筋肉にも圧痛・叩打痛はない。診察所見がなさすぎる。

 歩いてもらうと普通に歩けた。蹲踞からの立ち上がりもスムーズだった。両肩はあっさり挙上できる。これはリウマチ性多発筋痛症ではない。横臥からの起き上がりがひどいそうだ。

 血液検査では、白血球数は正常域で、CRPは17mg/dlに上昇していた。血沈が100mm/時以上に亢進している。これは何だろうか。外科医が胸腹部CTを6月と7月(相談された日の前日n木曜日)に2回行っていて、有意な異常はなかった。

 領域としては整形外科だが、炎症反応が上昇していると診ないので、内科でと言われる。脊椎の画像を追加して検討することにした。CT像を骨条件の描出も追加してもらった。腰椎の後部に炎症があるような気もするが、自信はない。

 診察所見は何もないが、感染性心内膜炎や化膿性脊椎炎(椎体炎・椎間板炎)疑いとして血液培養2セットをまず提出した。今日は腰椎MRIを行ったが、化膿性脊椎炎・硬膜下膿瘍などはなかった。椎間関節炎(偽痛風)を疑ったが有意な所見は指摘されなかった。

 月曜にNSAID(セレコックス)を開始して、その反応を1週間後にみることにしていた。まだ3日目(実質2日の治療)だが、症状が軽減しているそうだ。何だかわからないが、これで治ればいいのか。

 

 

 

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