保健所からCOVID-19の外来アセスメントが依頼されて、火曜日に施設に入所中の84歳男性が受診した。
施設内で10名以上のクラスターが発生していて、この患者さんは発症13日目だった。発熱が続くので隔離解除できないというのが、依頼の理由だった。
発熱が続いて、酸素飽和度も低下していたが、認知症で酸素を付けていないので中止したという。1週間前から食事摂取もできないので、点滴(500mlを1日2本)していたそうだ。アセスメントというよりは入院依頼なので、前日から病棟には入院になる予定と伝えていた。
施設者でストレッチャーに乗って運ばれてきた。何だかおしゃれな感じの防護具(PPE)を着た施設の看護師さんが付いて来ていた。
胸部CTで両側肺の上葉・下葉の背側に浸潤影を認めた。もともとCOPDがある。酸素飽和度も90%未満で、すぐに酸素吸入を開始して、入院とした。
発症13日目で、コロナの肺炎が遷延している(炎症期)の可能性もあるが、誤嚥性肺炎が併発しているように見える。
発症以来ずっと発熱が続くので、コロナとして隔離解除にしがたい。1週間は感染病棟の扱いにしてから、一般病棟に移すしかない。点滴を継続して、抗菌薬を開始した。(ステロイド投与は保留で経過をみる)
感染管理ナースから、付き添ってきた施設の看護師さんが入院になったことをかなり喜んでいた、と聞いた。
この患者さんは5年前に両肩・上肢・腰部・下肢の痛みと発熱で入院して担当していた。整形外科医院でNSAIDsを処方されていたが、全く効いていなかった。
リウマチ性多発筋痛症の診断でプレドニン15mg/日から開始して、症状が軽快していた。プレドニンを12.5mg/日、10mg/日と漸減したところで、施設の嘱託医に治療予定を詳しく記載して、治療継続を依頼した(施設内で処方される)。
プレドニンは約2年間の投与で漸減中止を考慮して下さいとしていたが、まだ5mg/日内服が継続されていた。1週間前から内服していないので副腎不全にもなっているかもしれない。