なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ワクチン接種後にコロナ罹患

2023年07月06日 | Weblog

 7月5日水曜日に糖尿病・高血圧症で通院している70歳男性が定期の受診をした。

 処方は2か月分なので前回は5月初めだった。カルテを見ると、5月31日に発熱外来を受診していた。5月30日に咳・鼻汁・発熱(39.0℃)があり、夜間に地域の基幹病院を受診して、アセトアミノフェンのみ処方されている。

 その日の発熱外来は、大学病院からバイトで来ている外科医だった。外科外来の受診者は少ないので、発熱外来・救急外来を担当してもらっている。コロナの抗原定性検査が陽性で、COVID-19と診断されていた。処方は対症療法だった。

 年齢でも(65歳以上)基礎疾患(糖尿病・高血圧症)でも経口抗ウイルス薬を処方できるので、当方だったら処方していたかもしれない。幸い数日で症状は軽快して、その後の受診はなかった。

 ただ、咳と痰が1か月以上経過しても続いているそうで、鎮咳剤と去痰剤を出してほしいと希望された。20年以上の喫煙歴があるが、50歳で禁煙していて、普段は呼吸器症状はない。コロナの後遺症というか症状遷延なのだった。(14日分処方した)

 

 これまでコロナのワクチンは5回接種していて、発症する4日前に6回目の接種(2価ワクチン)をしたばかりだったという。周囲や家族にコロナに罹患した人はいない。

 個人的にはワクチンの感染予防効果はなかったことになる(集団としてはあるはず)。重症化予防効果はあったといえるか。おそらくウイルス株がXBBで、オリジナル株(武漢株)とオミクロン株BA-5対応のワクチンの効果が、発症に関してはなかったということだろう。

 

 高齢者ではなく、基礎疾患もないと、パキロビッドやラゲブリオは処方できない。ソコーバは処方できるが、これまで処方したことはなかった。

 若年者や健康な中年だと、自然経過での回復が期待されるので抗ウイルス薬は必要ではない。ゾコーバは、発熱・咳・咽頭痛がひどい時に処方ということになっている。(併用禁忌薬のチェックを要する)

 薬局にはゾコーバが4人分来ていたそうだ(配布された)。使用する準備がされていなかったので(院内のコンピュータに入力されていない)、院外処方薬として処方できる手続きと、院内採用の手続きをとった。

 ソコーバは1錠(125mg)7000円くらいで、初日に1日3錠(375mg)内服、2日目から5日目に1日1錠(125mg)内服で、計7錠使用する。1回使用すると約5万円かかる(それの1割か3割負担)。

 病院の購入最小単位は4人分で20万円になる。とりあえず、配布された4人分は使用するが、それを使い切るまでは新たには購入しなくていいと薬局に伝えた。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする