糖尿病外来に通院している74歳男性が、6月28日に両前腕から手の浮腫で内科新患を受診した。1週間前から始まったが、特に誘因になることはなかった。
糖尿病と高血圧症の治療はずっと同じ処方で、糖尿病はDPP4阻害薬・SGLT2阻害薬・α-GIで、高血圧症はARB・Ca拮抗薬だった。
診察したのは現在内科系の診療をされている外科医だった。よくわからなかったようで、経過観察としていた。
症状が続いて、今週火曜日(7月11日)に再受診した。内分泌に詳しい内科医師が診察した。前回の血液検査で炎症反応は陰性だったが、好酸球増加があった(19%)。
血液検査再検でも好酸球が18%(1600)と好酸球増加があった。好酸球性血管浮腫としてプレドニン少量(10mg/日)と抗アレルギー薬で治療を開始していた。
好酸球性血管浮腫episodic angioedema associated with eosinophilia(EAE)は見たことがないが、症例の本には良く載っている。20~30歳代の若年女性に好発する四肢末梢の血管浮腫ということだ。
74歳男性ではどうなのか。それとも他の疾患なのか。対応としてはこの疾患疑いでプレドニン投与にはなるとは思うが。
この先生は基礎の研究者で、しばらくぶりの臨床復帰になる。この前はリウマチ性多発筋痛症の患者さんを診断して、プレドニン15mg/日であっさり症状軽快させていた。