先週の木曜日に腹痛で73歳男性が内科新患を受診した。救急外来扱いとなり、担当の外科医(大学病院外科から)が診察・検査をした。
腹部造影CTで、膵腫脹・周囲脂肪織の炎症像・主膵管拡張があった。胆嚢内に結石を認め、総胆管拡張と末端に石灰化があり、総胆管結石による症状・所見と判断された。
総胆管結石による膵炎だと、内視鏡処置による結石除去を要するが、内科新患の先生がそのまま入院としていた。血清アミラーゼが2899と上昇していたが、肝機能検査はほぼ正常域だった。
週末の連休があり、どうなるかと思われたが、腹痛は次第に軽減して血清アミラーゼも軽減してきた。保存的治療だけで治まりそうな経過だった。(造影CT再検が予定された)
この患者さんは11年前にも膵炎で入院していて、膵周囲膿瘍も伴っていた。当時内科に在籍した若い先生が外来で診て、外科に治療を依頼して外科入院となった。
膵癌疑いとなったが、エコーガイドに穿刺吸引細胞診・培養が行われて、腫瘍ではなく、膿瘍(Klebsiella oxytocaが検出)だった。抗菌薬投与(点滴静注から内服で長期に継続)で軽快治癒していた。
この時は胆石ははっきりしない。原因についても言及もされていないが、何によるとして診ていたのだろうか。それにしても抗菌薬投与だけで良く治ったものだ。