12月2日(月)の午前8時半に前日当直だった内科の先生から、夜間に診た患者さんが来るのでよろしく、と申し送りがあった。夜間の血液検査は簡易検査なので、血液検査を入れておいたという。
患者さんは90歳男性で、本当にその年齢かと思うような元気な方だった。12月1日の午後4時に突然に胸背部痛が出現した。症状が続くので、午後9時前に当院の救急外来を受診した。
まず心電図を検査したが、異常はなかった。血液検査は白血球12100・CRP0.0と超急性期を示唆する値だった。AST 386・ALT 86・γ-GTP 126・総ビリルビン1.4と肝機能障害を認めた。
胸腹部CTで胸部には異常がなく、総胆管拡張(肝内胆管も拡張)があって、末端に結石を認めた。(放射線技師さんが指摘したかもしれない)
発熱はなく、痛みの部位は「胸と背中」ではなく、正確には「心窩部周囲とその背部」だったようだが、軽快していた。結石が自然に落下するのを期待した、ということだった。
内科再来と新患が多くて、診察しているうちに頼まれたことを忘れていた。その患者さんの順番になった(血液検査と腹部エコーがオーダーされていて、それが終わってから外来に来た)。すたすたと軽快に歩いて診察室に入って来た。
痛みは治まっているが、発熱38.5℃があった。血液検査結果を見ると、白血球14900・CRP5.2と上がってきている。肝機能は、AST 831・ALT 302・ALP 109・γ-GTP 239・総ビリルビン4.0と悪化している。腹部エコーでは総胆管拡張は指摘できるが、末端は描出できないので拡張原因は不明とあった。
突然の痛みは総胆管結石が総胆管末端に嵌頓した時のものだろう。急性胆管炎を併発してきている。
当院では総胆管結石は扱えないので、地域の基幹病院に連絡することにした。地域医療連携室に連絡したが、担当の先生は相当に忙しく、こちらから連絡しますといわれた。何とかつながって、運よく(消化器内科はほぼ満床運営)引き受けてもらえた。
発熱以外のバイタルは問題なく、何しろ当方よりも元気なくらいなので、いっしょに来た家族の車で向かってもらった。
申し送りを受けた時は、そのまま紹介してもらう方がよかったと思った。ただ前日に連絡しても、発熱がなく疼痛も治まっているので、明日(月曜日)に改めて連絡するように、といわれたかもしれない。
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