なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

たぶん腸炎

2024年10月29日 | 消化器疾患

 10月28日(月)は内科再来を診ながら内科新患も診ていた。その日の内科外来に大学病院から来ている先生が、その日は12時で帰りたいというので新患が全部回ってきた。

 月曜日の再来は月曜日が祝日で休みになることがあるので、1.5から2週分の患者さんが入ることがある。その日も再来の数が多く、新患の患者さんはかなり待たせることになった。

 50歳男性が腹部膨満感と腹痛で受診した。前日の夕食はステーキのチェーン店でステーキ(牛肉と鶏肉、とサラダ)を食べていた。午後9時ごろから腹部膨満を感じて、そのうち腹痛が生じてきた。

 夜間は腹痛が断続的に続き、冷汗もあったという。普通は毎日排便があるが、その日はなかったそうだ。朝方になって排便・排ガスがあり、腹痛は軽減した。血便ではない。

 本人としては排便後に軽快したことから、便秘のための症状と思ったらしい。ただ1日くらいの便秘でこのような症状が出るのかと疑問にも思ったので、気になって受診したのだった。

 発熱はなく、バイタルも問題ない。腹部症状としては、やや違和感が残るくらいだった。腹部は平坦・軟で圧痛はない。腹部はぽっちゃりしていて、膨満感があるかと訊くと、いつもこのくらいの腹ですということだった。

 腹部単純X線では情報がないので、腹部単純CTで確認することにした。その後も再来と新患を診て時間がかかり、CTはずぐに終わったが、確認するまで大分待たせることになった。

 その間に軟便が数回出たという。水様便までではなく、泥状便だった。腹部症状はさらに改善していた。

 腹部CTでみると、CTで診る限りだが、特に異常はなかった。小腸の拡張・消化液貯留は目立たない。大腸は上行結腸から横行結腸にかけて水様便と思われる像があり、肛門側の便は便塊はなく軟便様だった。

 また数回泥状便の排出がありそうだ。ということはたぶん腸炎なのだろう。食事性だろうから、毒素型?。症状が軽快して、再受診にはならないので便培養の提出はしなかった。

 整腸剤と腹痛時の屯用薬’(アセトアミノフェン)のみ処方して、あと数回排便が続くと思います、と伝えた。好ましくはないが、お待たせしたために午前中いっぱい病院にいることになって、症状の推移をみることができたのだった。

 

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1 コメント

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アセトアミノフェンは (シロート)
2024-10-29 14:45:37
思いつきませんでした。ありがとうございます。
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