なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

単球性白血病?

2020年04月09日 | Weblog

 3月までいた内科の若い先生が肺炎で診ていた77歳男性は、血球減少(貧血と血小板減少)もあった。

 両側下肺野背側に浸潤影があり、随伴性胸水もあった。解熱して(といっても37.0℃前後で推移)炎症反応は順調に軽快していたが、酸素飽和度の回復が遅かった。

 時間をかけて経過をみていると改善が期待されるが、のんびり診ていられない事情があった。血球減少で通院してる内科医院から地域の基幹病院の血液内科外来に紹介されていた。

 当院入院後の末梢血像は、貧血(Hb6g/dl台)と血小板数減少(4.2~6.4万)があり、単球が50%を占めていた。

 外来で輸血を行ったらしい。そして今週末に外来で骨髄検査が予定されていた。先月末の時点では、酸素吸入3L/分で退院は難しかった。若い先生が、検査入院は可能かどうか問い合わせると、常勤医ではないので(大学病院からのバイト)できないと言われた。

 若い先生から引き継いで、利尿薬少量を追加して経過をみて、胸水も肺炎の陰影も軽減はしてきた。ただしリハビリも進んでおらず、退院しての外来受診は難しい。

 検査入院をお願いするとすれば、がんセンターの血液内科しかない。電話で事情をお話して診療情報提供書を送った。来週転院で3日間がんセンターに検査入院して(骨髄検査)、当院にまた戻ってくることになった。

 検査後に治療するのであればもっとかかるが、この患者さんは慢性腎臓病(血清クレアチニン2mg/dl)もあり、治療の適応はないと判断されたのだろうか。

 

 以前、外科に入院した高齢女性は末梢血検査で単球70%台と著明な単球増加を認めた。外科治療の必要もあったので、相談されて骨髄穿刺を行った(判断は外注になる)。慢性単球性白血病の急性増悪と診断されて、がんセンターに転院になった。

 たまたまその時の外科主治医が、外来でその患者さんを診察することがあり、「ずいぶん元気だったが、治療できているんだ」と驚いていた。

 

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