先週の土曜日の早朝に、当直だった内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が、救急搬入された81歳男性を入院させていた。奥さんの話によれば、自宅内は温室状態だったそうで、熱中症と判断された。
バイタルサインは体温が37.7℃だったが、その他は問題がないように思われた。炎症反応の上昇、CK上昇、腎機能障害はなかった。入院して点滴500mlを2本くらいで良くなるだろうと見込まれた。入院後の食事摂取も良かった。
翌々日(振替休日)の月曜日に40.3℃まで体温が上昇した。連休明けの火曜日には38℃台に下がってきていたが、血液検査で異常値を呈していた。
白血球はむしろ減少して(2800)、CRP4.7と上昇していた。血小板が8.6万と減少した。CK 1878・AST 88・LDH 385と入院時に正常域だった筋原性酵素の上昇を認めた。腎機能の悪化はなかった。
患者さんはというと、普通に会話ができて重症感は感じなかったが、食欲は低下した。他の感染症が併発してようには見えず、熱中症による横紋筋融解と判断された。点滴を増やして経過をみることにした。
翌日の血液検査で少し軽快して、今日の検査ではかなり正常域に近づいている。食欲不振は2日だけで、その後は完食していた。連休の最初でなければ翌日に血液検査を再検していたのだろうが、入院時に軽度の所見だったので、油断した形になった。
1~2日遅れて、横紋筋融解の症状が出現したということなのだろう。熱中症そのものの本は持っていないが、一冊買って調べておいた方がいいようだ。(熱中症の予防の話が多く、病態・治療の話は少ないらしいが)
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