30歳台の男性2名が雪山に行って下山できなくなり、捜索隊が出動した。翌日にヘリコプターでの探索で発見されて、そのままヘリで当院へ搬送された。凍傷にかかっていて、1名はそれほどではないが、もう1名は四肢がチアノーゼを呈して、四肢を助けられるかどうか(つまり切断する可能性がある)わからない状態だという。テレビに出たり、新聞にも載ったそうだが、そういうのにうといので見ていなかった。外科医が担当して外科病棟のICUに入室したが、病院中の評判になっている。どうしてこんな天候の時に行くのかという話になるようだ。
昨日、両側の誤嚥性肺炎で入院した87歳女性は、昨日の夕方には呼吸が止まるかと思われたが、なんとか今日までもって、低下していた血圧も少し上昇して、酸素飽和度が改善してこないが、昨日とは違って話ができるようになった。1週間前からかかりつけの内科医院で肺炎として外来治療をしていたが、昨日はそこが休診日のため当院を受診した。外来で新患担当の先生から言われて診た時は、グッタリとして呼吸が浅く、低酸素・高炭酸ガス・低血圧だった。ばたばたと検査をして、救急室に運び込んだ。救急車で搬送する状態で、よく家族の車で連れてきたものだと思う。家族はそれほど重症と認識していなかった。重症で今晩危ないと長男夫婦に伝えたところ、家族親戚が病院に駆けつけてきた。20人以上が病室の周りにあふれて、いっしょに来ていた子供(ひ孫だろう)が廊下を走り回っていた。大腿骨頸部骨折の既往があり、認知症で就寝前に精神薬2剤が出ていた。まだ安心はできないが。、助かりそうな気がする。
昨日は基幹病院の呼吸器科医から電話が来て、入院患者さん2-3名を引き取ってくれないかという。ベットがいっぱいで、新規の患者さんを受け入れられない状態だという。とりあえす、誤嚥性肺炎を繰り返して、退院の見込みがない認知症の高齢男性を明日引き取ることにした。もうひとりはジストロフィーの50歳男性で、やはり誤嚥性肺炎を繰り返しているそうだが、年齢が若く、悪化した時は人工呼吸器管理になるため、無理ですと伝えた。
当院は認知症高齢者の誤嚥性肺炎を診ているが、肺炎の治療が悪化した時はDNRの方針としている。酸素吸入と点滴・抗菌薬投与を行うが、人工呼吸まではしない。肺炎が治っても経口摂取できない時は、胃瘻の適応を考慮するものの、90歳前後の方には最小限の点滴とゼリー食などで経口摂取を試みながら、経過をみることにしている。1~2か月の経過で看取ことになるが、それが自然だと思っている。