ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

専門用語

2017年03月23日 01時43分14秒 | サービス
そりゃあ、どこの世界にもあるもんです。

「専門用語」

で、接客業では「専門用語は使うな❕」と教えられるのです。

だって難しいですし、お客様の殆どは解らない「はず」なんですから・・・


料理の世界でもワインの世界でも、難解な言葉を使いまくる人がいます。

「仔羊はロティしてジュダニョーにバターをモンテして」などと宣う人もいれば

「このワインはちょっとオーキーやね」とか

「あ、マロをやってるね!」とか・・・

難解ですよね!


「仔羊は焼いて、その出汁にバターでコクを付けてます」

「このワイン、ちょっと樽臭いね」

「あ、酸味がまろやかやな」

が上記の「簡単言い回し」ということになります。

私的には「樽臭い」は余計で「樽の香りががっつり効いていて・・・・」「ゴマの香りに合うんです」などでフィニッシュしたいんですが・・・


でもでも専門用語をゼロで話すのは、意外と難しいものです。

例えば私のホテル学校時代は

「エスカルゴと言っても判らないからカタツムリと言いなさい」

「バゲットはフランスパンと言ったほうが判りやすいよ」

などと言ったものですが、今ではエスカルゴもバゲットも普通に通じます。


ですから他の専門用語もいずれは日常に溶け込んでいくのだろうと思います。

で、何を溶け込ませ、何は簡単語に変換して話したほうがいいか?を考えながら話す必要があります。


その中で「敢えて難しく言う」というのも面白いものです。


「このワインがマロラクティックファーメンテーションといって酸っぱいリンゴ酸を円やかな乳酸に変換する発酵をしているんです」

「あ、ハイヒールのリンゴさんは関係ありません(笑)」

「マロやかになるからマロラクティック・・・・って言ったりして」

とか・・・

「マロ~~、う~~んマロ~何チャラカンチャラっていう発酵をするらしいんです」

とか・・・・


そういう話でお客様はむしろ解(ほぐ)れますよねえ・・・


ただ、お客様は頭が良い人が多いので「化学をやってるから、それくらい判る」って方もいますし

そういう単語を覚えてしまって他のレストランやショップで使ってしまい「あの人はマニアか専門家」と勘違いされますので

注意が必要ですね。

例えばゲヴルツトラミネールって葡萄もペラペラスラスラとしゃべると「この人業界人?」と現段階(今の時代)では思ってしまうかもしれません。

なので「バラの花やライチの香りの白ワインと言え、とよく行く店のソムリエが言っていた」と注文するように言っています。



な~~んて書いていると余計に紛らわしいかもしれません。

でも、そうなんです。

専門用語は使わない、けど上手く使うのはアリ、って話です。


私が上手いかどうかはお客様の決めることですが(汗)

店毎にその難易度も違いますから、よ~~く観察してみるのも楽しいですよ!


                樋口誠