ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ローヌの白

2013年01月12日 03時18分45秒 | ワインの事

何処の地方にもいくつかの白品種があって、それぞれに個性を持っています。

アルザスならリースリングとゲヴルツトラミネールが全く違う個性で横綱を張っていますし、ボルドーならセミヨンとソーヴィニヨンブランが対角にあります。

赤品種も同じです。

ローヌに於いては北はシラー、南はグルナッシュ。全く違う個性です。

ではローヌの白はと言うとマルサンヌとルーサンヌという双方とも「サンヌ」という音で終わる2種の葡萄があります。

確かに少し違うのですが、私の舌では非常に似ている、としか言えません。

酸が控え目で角が無く、しかしアルコールのボリュームは豊か。

最初の内は樹脂的な香りが支配的で「愛想のない」印象があります。

しかし、数年寝かせるとグンと開いてきて、香ばしさが元来あった円やかさに加わり、包み込むような印象で、存在感が増してきます。

私の中では「キノコやトリュフにはローヌの白」というのがあって、出来ればトリュフの香りにはローヌでいきたいな、と思っているのです。

しかし、残念ながら丁度良い飲み頃のものは、そう多くなく止む無く樽熟成したシャルドネをわせることになっている現状です。

でも、有難いことに今月はあるんですねえ。

サンジョセフ村のランベールという畑の白。マルサンヌによる2007年です。

今、いい感じで開いておりキノコ系の料理には抜群の仕事をしてくれています。

料理あってのワイン、を感じさせながら自己主張もあり、それだけでも楽しめるかな、と思います。

殆どの人には聞きなれない、或いは飲みなれないワインですが、秋から冬にかけてのベストプレーヤーです。

一度お試し頂きたいと思います。


ワインの澱

2013年01月11日 03時27分44秒 | ワインの事

多くのワインは澄んだ外観を呈しています。

が、本来のワイン(清澄処理をしない若いワイン)は多少の濁りや固形物を含んでいても不思議ではありません。

とはいえ、固形物はどうしても舌にざらつきを与えるのは否めませんし、綺麗でもありませんね。

ですから多くのワインは清澄処理を行う訳です。

さて、固形物と一口に言っても色々です。

一つは発酵に必要な酵母。

糖分をアルコールに替えて一仕事した酵母は樽やタンクの下部に溜まります。

通常LIE (リー)と呼ばれます。

これはアルコールを終えた後も結構いい仕事をします。

アミノ酸を造りだし「旨味」をワインに付与しますし、酸化を防ぐ仕事もします。香りも複雑化しますね。

最近では瓶詰直前まで酵母を除去しない方法が多いと聞きます。

逆に瓶内にまで持ち込むと再発酵の要因になる事もありますので、瓶中ではあまり見られません。

それともう一つは赤ワインによくあるアントシアニンという色素が重合したもの。

これは若いうちはありませんが熟成と共に瓶内に現れます。

よくいうデキャンタは、その澱を取り除く為に行うのが元来の意味でした。

セディマンとかセディメント、或いはデポと呼ばれます。

白ワインに多いのは(赤でもありますが)酒石です。

いわゆる酒石酸の結晶で、白の場合キラキラした外観から「ワインのダイヤモンド」とも言われますね。

白は寒冷な産地のものに顕著、赤は乾燥した年のものに顕著、というのが私の経験です。

これもセディメントやデポと呼ばれます。

正確な言葉の意味は残念ながら私の語学力では判りませんが、少量の澱は全く気にする必要はありませんし、多少のものはデキャンタで除去できます。いずれにせよ、毒でもなんでもありませんから「変なものが入ってる!!」なんて言って酒屋に返却などしないでくださいね。

むしろ、上等のワインほど澱の出る可能性が高いかも、です。

もし澱の除去の仕方が判らない方は、そむりえ亭に聞きに来てくださいね!

お待ちしています!!!!


「落ちる」という表現

2013年01月10日 03時10分37秒 | ワインの事

ワイン愛好家の方に多い表現ですが「あのワインは30分で落ちてきた」とか「〇〇の何年は直ぐに味わいが落ちた」という事を言われます。

確かに数十年たったワインには、ありうる話です。

しかし、僅か10年や20年では例えに出てくる、いわゆるグランヴァンの強い年のワインは少しの時間では「落ちる」ことはありません。

ボトルを一本飲みきるまでには味わいの変化はあります。

しかし、それは酸化によるもの以外に温度による変化も大きく、一瞬酸が突出するタイミングが訪れるだけなのです。

もう10分20分待って温度が1度2度上がるだけで甘味や果実味が復活します。

大体セラーから出したばかりのワインは若干温度が低めです。デキャンタやグラスに入れて少しの温度上昇があります。これにより甘味は少し改善されます。

しかし、もう少し温度が上がった時点で酸味の方が前に出てきます。

これを「落ちた」と表現する方が多いのですね。

しかし更に1度2度上昇するとタンニンの酸化が甘味を増して感じさせますし、元々ある甘味も強調されますね。

勿論、適正な温度を超えると再び酸味が目立って感じますが・・・・

いつも言うように私は科学者ではありませんので、理論は判りませんが体験での確証です。

そむりえ亭では殆どがグラスので販売ですので、セラー温度からスタートすることはありませんので、かなり飲み頃に近い状態での提供ですが、ご家庭やセラーが一つしかないお店の場合、設定温度が白も含めた低すぎる事が多いので先述の「落ちる」感じがするのではないのかな、と思います。

セラー温度を16度位からスタートすれば酸化したような錯覚は起こりにくいのでは、と思います。(ボルドーなどはそこからデキャンタした状態で18度スタート)

折角のグランヴァンをお飲みになるのですから、すぐに結論を出さずに、もう少し待って生き返らせてあげてください。

殆どのワインはもっと長い時間楽しめる筈です。


根菜

2013年01月09日 03時47分41秒 | 食・レシピ

この季節の主役は実は肉でも魚でもなく、実は根菜かもしれないな、と思う事があります。

大根、蕪、牛蒡・・・・

どれも寒くなればなるほど旨味、甘みが増しますね。

坂本君は付合せに根菜を多用しています。

中でも牛蒡は「根菜の中の根菜」という風貌ですし、味わいも地中からの要素をタップリ吸い上げて王者の風格です。

根菜は全般的に赤との相性がいいのは、私、よく書いていますが、牛蒡はとりわけ好相性です。

白身の魚であっても牛蒡と一緒に頂くと「赤に吸い寄せられる」印象ですね。

シラー、ネッビオーロ、ポムロールのメルロなどは最高のマッチングです。

これから暫くの間、「赤を開ける時は食卓に牛蒡を!!」を合言葉にして頂きたいくらいです。

という事で、今日のそむりえ亭も牛蒡で美味しく赤を召し上がって頂きたいな、と思います。


昨日は有難うございました。

2013年01月08日 03時22分19秒 | ちょっと休憩

昨日は予約が無く「ブログ見たでえ!!」を開催いたしましたが、沢山の方に反応頂き、結局の所は普段の倍の忙しさとなりました。

有難うございます。

お陰様でいい正月明けの営業が出来ました。

前半後半とも同業者の利用もあり、賑やかで楽しい営業でしたね。

とはいうものの今日も明日も予約は多くありません。

どうぞお立ちより頂けますように!!

さて、ヒマな日が続くと悪い事ばかりではない、などと言うととんでもないことになりそうですが、ワインによってはより美味しくなっていく、という利点もあります。

回転が速すぎると困るワインもあるのです。

今日明日はユックリしそうですから期待していいかも、です。


いやいや、忙しくなって欲しいんですが・・・・

と言う訳で、忙しい時は忙しいなりに、そうでない時はそうでないなりにワインを美味しくなる様に頑張るそむりえ亭です。

お待ちしています!!!!!


新年一発目のアレです!!

2013年01月07日 02時54分32秒 | ニュース

昨日は初休みでユックリいたしました。

しかし、実は今日朝から胃カメラを飲むことになっておりまして、21時以降の絶食と当日の絶飲を余儀なくされておりまして・・・・・

ひもじくなら無い様にと早めに就寝いたしましたが、いやあ、起きてしましましたねえ・・・・

でも、丁度ブログの時間で結果的には万々歳です。

何故なら、今日は予約なしなんです。

つまり「ブログ見たでえ!!」開催ですねえ・・・・

今回は全てのグラスワインを300円引きでご用意いたしますよ!!

いやあ、年末年始を挟んで、しばらく開催しておりませんでしたので、ある意味心配をしておりました。

どうぞ、今日お越しのお客様は「ブログ見たでえ!!」って囁いてください。

お得ですよ!!!

お待ちしています!!!!!!


2013年の初休み頂きます。

2013年01月06日 03時20分04秒 | ちょっと休憩

この半年はスタッフ数の少なさゆえ、定休日以外に2日ほど臨時休業を頂いています。

が、大晦日から昨日までは意地でも営業したく、従業員には申し訳なく思いながら休みなくやってきました。

で、今日、今年の初休みを頂きます。

お陰様で昨日も皆さんに応援頂き忙しくさせて頂きました。

本来は今日も忙しいんだろうと思いますが、ご理解くださいませ。

さて、そうは言いながら7日からは年末年始と正月を過ごした皆様の胃袋、肝臓、お財布はかなり疲れているのだろうと思います。

お陰様で、7日以降の1週間くらいは、予約数が激減です(泣)

どうぞ、お立ち寄り頂ければ助かります!!!

色々揃えてお待ちしていますよ!!


フレッシュな泡

2013年01月05日 03時54分44秒 | ワインの事

そむりえ亭では通常「泡」と言われればシャンパーニュをご用意しています。

或いはシャンパーニュに限りなく近い熟成を経たイタリアのフランチャコルタなど・・・・

つまり熟成の間に酵母由来の香りや旨味を蓄えたものを使ったいるのです。

しかし、今月は毛色の違うものも開けることにしました。

「ゼクト」と呼ばれるドイツのものです。

造り方は実はシャンパーニュと大差はありません。

いわゆる瓶内二次発酵と呼ばれる方法で熟成期間も左程に短くもありません。

では、何が違うのか、というと原料になる葡萄がリースリングという比類ない果実と酸とミネラルを持ち合わせる葡萄、という事なのです。

これによって酵母の香りやアミノ酸の旨味より永遠とも思える若々しさを保ちます。

「フレッシュ」なんですね。

しかし、その裏側にはキッチリした旨味と鼻腔に抜ける時に「あっ、酵母だ」とやっと感じる複雑さ・・・・・

旨いシャンパンが飲みたい、でもフレッシュなもので喉の渇きも癒したい、という時。

キリッとした白が良さげな料理だけれど、泡が欲しい、という時。

普段は使っていませんが今月のスーパーサブになりそうなアイテムです。


早じまいは終了です。

2013年01月04日 00時42分05秒 | ちょっと休憩

昨日で三が日も終わりました。

大晦日から22時までの営業をしていましたが、それも終了しまして、今日4日からは通常の時間=25時(午前1時)ラストオーダーに戻ります。

まだまだ正月休みの方もいらっしゃるかもしれませんが、多くの飲食店さんも今日からの所が多いようですから、肩を並べて頑張りたいと思います。

と言いながら元旦は本来第1火曜で定休日の所を営業いたしましたので6日の日曜に最初のお休みを頂戴します。今日、明日を頑張って6日はゆっくり休みたいと思っています。

どうぞ、お許しください。

また坂本君の上手な発注で正月にもかかわらず、食材切れもなく4日を迎えます。

どうぞ、今年のそむりえ亭、改めて宜しくお願い致します。


ドルチェットと聞けば・・・・

2013年01月03日 01時08分37秒 | お勧めワイン

食後のデザートを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かにドルチェ、という言葉と似ていますが、これはワイン用の葡萄の名前です。

ピエモンテ州の葡萄です。

この州ではネッビオーロ種やバルベーラ種が3番、4番バッターを張っていますから少し低く見られるかも、な品種です。

イタリア料理屋さんなどでは当たり前かも知れませんが、最近では有名州以外の品種が台頭してきましたから、やはり目立ちにくくなったか感じがします。

しかし、私にはタマに使いたくなるワインです。

名前の通り、甘いニュアンスをもっていますがアルコールは高すぎず、タンニンも多過ぎず、実際には辛口のワイン。やや酸味の少な目の色素は濃いめのスタイル。

前菜から肉料理まで役に立ちそうですね。

年末年始で痛めつけた胃袋と肝臓に、攻撃的でないワインは重宝間違いなし。

昨日、オーストリアのブラウフレンキッシュの話を書きましたが、それと並んで勧めたいワインの一つです。

でも、間違って「ドルチェが欲しい」なんて言うとデザートが出てきますから御注意を!!!

さて、昨日は少ない予約からオープン前までに満席の予約となり、多数のお客様をお断りしてしまいました。

今日も現状では2件のご予約ですが、まだ他のお店が開いていないところが多い訳ですから、ご予定の方はお早目のお電話をお待ちしてます。