目が覚めたときに、家族がそばにいなかった。
こういうときは心配そうに顔をのぞくものではないか…。
せめて妹くらいはいてくれてもおかしくはないだろう…。
「妹に来るように電話を入れてください」
手術を受けたのは3日前。
呼吸器をつけたまま出てきたため、その間集中治療室に入った。
見た目は朦朧としていたが「とろとろしているの?」と尋ねると目を怒らせて首を振っていた。
管やコードを引き抜かないように袋に入れられた手で、
忙しく働く看護師さんに「いじわる」と書いて見せた。
行けばそばにいてほしがったので、毎日、その日あった出来事を話し続けた。
そんなこんなの上での、電話の要請だった。
たまたま早目に病院に来た私は、機嫌の悪い顔にわけがわからなかった。
その上、隣のベッドの人は体を拭いてもらえているのに、ずっと自分はやってもらえないという。
ところが、私の知る限り、毎日丁寧に体を拭いてもらい浴衣を着替えさせてもらっている。
ベッドの上にいるだけで、根性がひねくれるようだ。
王侯貴族のように扱われ、それでもなお、足りないとベッドの主がいう。
心やさしく、穏やかに、感謝の気持ちで過ごす。カーテンで仕切られたかの地では難しいことなのだろうか。
それでも、ひねくれた顔に「生きてる」とうれしくなる。
こういうときは心配そうに顔をのぞくものではないか…。
せめて妹くらいはいてくれてもおかしくはないだろう…。
「妹に来るように電話を入れてください」
手術を受けたのは3日前。
呼吸器をつけたまま出てきたため、その間集中治療室に入った。
見た目は朦朧としていたが「とろとろしているの?」と尋ねると目を怒らせて首を振っていた。
管やコードを引き抜かないように袋に入れられた手で、
忙しく働く看護師さんに「いじわる」と書いて見せた。
行けばそばにいてほしがったので、毎日、その日あった出来事を話し続けた。
そんなこんなの上での、電話の要請だった。
たまたま早目に病院に来た私は、機嫌の悪い顔にわけがわからなかった。
その上、隣のベッドの人は体を拭いてもらえているのに、ずっと自分はやってもらえないという。
ところが、私の知る限り、毎日丁寧に体を拭いてもらい浴衣を着替えさせてもらっている。
ベッドの上にいるだけで、根性がひねくれるようだ。
王侯貴族のように扱われ、それでもなお、足りないとベッドの主がいう。
心やさしく、穏やかに、感謝の気持ちで過ごす。カーテンで仕切られたかの地では難しいことなのだろうか。
それでも、ひねくれた顔に「生きてる」とうれしくなる。