つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

お金をこわして

2010年12月01日 | 日記
末っ子はNHKの教育番組「シャキーン」が好きだ。
目覚まし代わりに「シャキーンが始まったよ」と声をかけると、すくっと起き上がってくる。
私のパートナーは、大学で文章の書き方のようなことを教えている。苦手意識の強い若い人に導入するのに「シャキーン」の内容を取り上げることもある。

その「シャキーン」の中で、方言を取り上げているコーナーがあります。
一つの言葉で、その地方独特の意味を持つものだ。
今日は岐阜「お金をこわして」――両替してほしいときに使うそうだ。
感じはわかるが、いきなり使われたらびっくりするだろう。

北海道にも似たものがある。
「手袋を履く」おわかりだろうが、これは手袋をはめるときに使う。
子どもに声をかけるとき「手袋を履いていきなさい」「手袋を履いたかい?」
私は東京の人間で、これを聞いた時意味は通じたのだが違和感を感じた。
周りの道民は当たり前のことのように使うので長い間黙っていた。
でも、長男が関東の大学に行くことが決まったときに、たまらず注意した。
「手袋は履くものではなく、はめるものだからね。履くのはズボンや下着、靴下で、下のほうのもの。笑われるからね」

開拓の歴史を持つ土地柄のせいでしょう、北海道の方言は東北や沖縄などのように理解するのが難しい言葉とは違います。「なまら」「ちょす」「あづましくない」「がおる」など、どういう意味ですかと聞き返す言葉もありますが、ほとんどはわずかなイントネイションのちがいです。なんとなく違うというたぐいのものです。たとえば「椅子」関東では平板に発音しますが、札幌では極端に高い音から低い音に下げます。「ピアノ」では「ア」の音を高く上げ「ノ」を「ピ」より下げます。
こちらに暮らしだした当初は、その音の違いが耳に引っかかりましたが、20年も住むと自分の言い回しが北海道のものになってきていることを感じます。北海道が溶け込んできているのでしょうね。

「お金こわして」
岐阜を出るとき、親御さんはお子さんに「お金はこわすものじゃないからね」と言っているのかな…
住んだことのない土地に思いをはせました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする