夫婦喧嘩をした。
ああ、こういうの・・・しばらくしていなかった!
言い争いや、口論はあったが、こういう夫婦喧嘩・・・前はよくしていた。
原因はたった一つ。 旦那の経済力。
経済力というとかっこいいが、要は稼ぎがないのだ。
昔、昔は、まるっきり収入が無い月もあった。
私は役人の娘で、そういう生活をしたことがなかった。
銀行引き落としが間に合わなくて、再振替も利かなくて、集金に来た人に「今払えないのです」と、初めて言った。
立て続けに子どもが生まれて、それでも、旦那は毎月給料がもらえる仕事をしなかった。
やりたいことがあって、それに向かっているのならまだしも、
そうでないのに「俺を使ってくれるところがない」という理由から、稼ぐことをしなかった。
若かったからな・・・私も・・・
夕べ、そのころの話が出た。
子どもが学校に通うようになり、旦那がPTAの会計監査を引き受けていたことがある。
1年だけということで引き受けて、その翌年、私に何の相談もなく副会長を引き受けた。
推薦委員長さんという方が、奥様にご挨拶をと電話を入れていらして発覚。
寝耳に水の話で、大人げないが「冗談じゃありません」とお断りした。
あわててその方と教頭先生が飛んできたが、断固として許さなかった。
当時本当に旦那は収入が無く、仕事を探して歩くということもなく、私に尻を叩かれていた。
あまりのことに私は、気力が無くなり、立ち上がれなくなった。
別れる!と思って、荷物をまとめようとしたが、力が尽きてしまった。
立って歩いてという当たり前のことが出来なくなり、ただただ心が休まるのを待った。
軽い気持ちで旦那は言ったんだろうと思う。
「あなたに断られて、副会長ならなかったんだよな」
忘れていたあの時のつらいつらい日々、時間。
忘れていた…あの時、旦那に抱いていた不安。
我慢に我慢を重ねていた。そんなつらい気持ちだったことを、この人はいまだに理解していないんだ。
私の気持ちを慮って副会長職を断ったのではなく、私が反対したから断ったんだ。
そう思ったとたんに涙が次から次に止まらなくなった。
「大ばか者だ!あんたは!そんなにやりたかったのなら、いまからでもやればいい!」
雪が降ると玄関が凍り、トイレが凍り、水道は水抜きをしても凍り、隙間風が零下で、
ストーブを焚いても焚いてもすべてが凍る、寒くて寒くて寒くていた古い家で、
つらくてつらくてたまらなくなると、東京の姉に電話をしていた。
電話代が大変だからと折り返してくれた電話で、私の気のすむまで話をしてくれたっけ。
うちの旦那は人柄は抜群にいい。
いいが、そのため周りの人間にすぐちやほやされてしまう。
それが故に天狗になり、自分の足元を固められないということを繰り返している。
「ほめて育てろ」と今は言うがそれだけでいいなんて絶対ないと、旦那を見ていると思う。
いつまでも口きかないのも大人げないので、旦那と和解しないといけないが、
旦那はきっと自分の何が悪かったのか気が付いていないから、いつものように絶対に謝ってこないだろうなあ。
これが面倒くさい。さっさと「ごめん」と言えばいいのに、本当に一人っ子はこういうところがへたくそだ。
ま、間に入った一番大人の末っ子が、ひょうひょうと話してくるので、何とかなるだろう・・・・あはははは
子は鎹とはよく言ったものだ。 夫婦喧嘩は本当に犬も食わないよなあ・・・。