仕事の場面で、人を育てる大変さを見ることがある
どの仕事でも初めての時は、老いも若きも教えを必要とする
勘所の良い人だとするすると抜けるが、なかなか大変な場合もある
えらそうなことを言うが、私もこの年になってもなかなかうまくいかない
注意を受け、怒られて、二度としないと心してかかりようやく身についていく
2年目の若い人が新しい仕事を教えられた
内容は似たような作業だが、目的が違う4種類の作業
パソコンの作業 基本は同じだが持つ意味合いが違うので、微妙に操作が違う
私のような補助者が付いているものと付いていないものとある
私がかかわる仕事でどうやら間違いを犯したようだ
この作業には職員が2人担当でついていて、
シフトで動き、できるだけ穴が開かないような体制を取られている
Aさんが休みの日に、その失敗が発覚した
Bさんは自分の仕事を完璧にこなしたいし、こなせるタイプの方で能力も高い
Bさんはだんだん怒りが増していき、
あたりの人にけたたましくどうしたらよいかと大きな声で話をしだした
聞くとななしに話に聞いていて、私がおせっかいにしたことが原因かもと思い、
謝罪をし、今後について注意を受けた
「指示を受けたことだけやってください」と言われた
私のやったことだけが原因ではないようで、
まわりの人は怒り狂うBさんをほっとくと決めたようだ
やがて次の作業の時に同じことが起こったら、その時注意するということでその場は収まった
次の日、Aさんが出勤してきて、Bさんとその話になった
Aさんどういうのかなと思ったら、穏やかに、
「彼は今、4つ新しいことを同時に覚えるところで、どうやらほかの作業で大きく注意をされたらしい、
それが混乱を招いてこちらも間違いだしているんだと思う
これ、今、ここで注意してもますます混乱するから、
彼が落ち着くまで私がフォローするので黙っていた方がいいと思う」
人を育てる現場に立ち会ったと鳥肌が立った
仕事はできるのだが、まわりにあまり目がいかないBさん
まわりの状況も目に入り協調して動こうとするAさん
Aさんの対応で、Bさんも気が付いたと感じた
叱咤激励して、お尻たたいて、教えるのもやり方の一つ、
昨今の若い世代では、それでなにくそと育つものと育たないものがいるようだ
Aさんは、細やかに見守る
「自分で気が付いて作業に来てほしいので、少し我慢して待ってもらいたいんです」
と私にも頼んでくる
人を育てるのはとても難しいし、時間がかかる
一回教えてかなうことと、何回も伝えなければならないこととある
それでも根気よく、根気よく…教える側も育つと思った出来事だった