soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

ドクター・ケイ・スカーペッタ 精彩欠く

2005-01-04 14:56:59 | 読書の時間
パトリシア・コーンウェルの「検屍官シリーズ」の
新作「痕跡」が出た。
正月休みに読破。
13作目となる新作は主人公のケイが
なんと懐かしのリッチモンドに戻ってきた。

マリーノはいよいよだらしなく、
眉をひそめるシーンもあり、それが
一層ケイへの淡い思慕を際立たせて哀しい。

ケイはいつものような凛とした強さは
相変わらず、揺れ動く心も微妙に読み取れ、
シリーズ当初は紋切り型であった心情描写と
比べると、そこに著者の成長さえ感じる。

しかし、スカーペッタは検屍局長という
限られたフィールドでこそ、
輝きを放っていたのかもしれない。
局長でなくなった彼女の存在は何故か曖昧で
物語りも散漫な感じを拭えない。

ただこれは最高傑作のシリーズ1作目から
5作の出来に比べてなので、他の多くの
海外ミステリーものと並べたら一気に読んで
しまうほどの面白さだ。

あとがきには4作目の「真犯人」が
ジョディー・フォスター主演で映画化されるらしい。
この主役なら期待できそうだ。



GULLIVERガリバーはどこに

2005-01-04 01:06:48 | 読書の時間
GULLIVERガリバーはどこに

手元に91年11月28日号のガリバーという
雑誌がある。
マガジンハウスから最初は月1回、
この91年の頃は月2回発行されていた。
海外の旅を取り上げた、ちょっと変わった雑誌。
この回は「元気がでる、タイ」

実家の本棚にあり、今も残っているが
何度かした引越しで、他の多くは処分してしまった。

ワット・アルンの絶景から、
ダムナン・サドワックの水上マーケット、
ムエタイに食事まで。
切り口はJTBのパックツアーでなく、
地球の歩き方寄りのオモシロ情報が多い。

参考になるというより、
他人の歩き方を見ているようで
それはそれで気になるものだった。

この雑誌をいつから買わなくなったのか、
それとも廃刊になったからなのかわからない。
懐かしさに手をとって、初めて見たように
隅まで読んだ。

ワット・アルンはタイに行くと
必ず見に行く場所だ。
特にチャオプラヤー川を挟んだ対岸の
小汚いレストランの川にせり出した場所で
日本では飲まないファンタオレンジを飲みながら、
ギラギラした太陽に照らされ輝く尖塔を見たり、
または夕ぐれに赤に染まるのを
ぼんやり見たりと、どの時間でも
寺院は静かに存在し、その手前の川面を
慌しく行きかう船とが、
静と動の鮮やかな対比を見せて、
どこか甘美な日常と非日常のあいまいな
境界が見えるというか、
その曖昧な境界に自分も存在しているようで、
心惹かれる場所なのだ。

雑誌では嵐山光三郎が水上ボートで
手を振るまさに元気なタイにぴったりの
表紙。この雑誌はどうなったんでしょうか。