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日本とアメリカの大学入試

2022年03月09日 | 【海外校 アメリカ地区】

最近、大学入試に関する一部の言論として『入試に学力試験はいらない』とか『すべてAO入試でいい』などの言葉を耳にすることがあります。

実際、昔と比べて一般入試以外の方式で大学に入学する割合は高くなっています。推薦入試やAO入試、帰国子女入試もその一つです。多様な尺度で学生を選抜することで、大学も本当に優秀な学生を獲得しようとしています。もちろんそのこと自体は悪くないですが、大部分がそうした選抜で占められる状況もまた問題があると思います。

基本的な大学の一般入試は、学力試験の結果のみで判定されます(面接を課す場合はありますが、ごく一部です)。親の収入や高校までの活動履歴などは一切関係なく、非常に高い公平性があります。基準が学力のみである以上、努力によってそこだけを強化して有名大学に合格することが可能です。

アメリカの大学は入学するのが簡単で、卒業するのが難しいと言われます。ただ、それは学力試験の配分の問題です。卒業試験のスコアもある程度は関係しますが、それに加えて高校までの活動履歴、家庭の経済状況やコネクションなども判定材料になります。本人の努力の及ばない家庭環境や経済状況に左右され、一発逆転が生まれにくいシステムです。お金がなければ多額の奨学金を借金として背負うことになります。

日本もこうしたアメリカ型の入試形態を導入しないとどんどん海外に置いていかれる、と危機感ばかりが煽られますが、どうも日本の教育の持つ欠点ばかりが糾弾されているような気がします。日本のドメスティックかつガラパゴス的な受験にも良さがあり、もはや一つの文化とも言えます。こうしたことは教育だけの話ではないかもしれませんが、妙に自国のものに対して劣等意識や自虐感が強いことの方が大きな問題なのでは、という気がします。

 

駿台コロンバス校 D.A.


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