文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

終章…「週刊朝日」4月22日号から。

2011年04月13日 00時52分26秒 | 日記
福島県は、住民の安全を守るために県内に常設された13力所で被曝スクリーニングを実施している。この保健所はぞの一つ。調査員は、中部電力からの応援組だという。私か調査場所に立つと、調査員2人が前後から検出器を使って頭から足裏まで放射線値を測定した。別の一人はカメラの放射線値を入念に調べた。
 
県が設定した基準値によると、1万3千CPM(検出器が1分間に感知した放射線の数)以上、10万CPM未満の数値が検出されると、ふき取りなどの部分除染が行われ、10万CPM以上で全身洗浄となる。
 
原発前まで行った私にどんな数値が出るのか、正直不安だった。測定の結果、靴底が一番高い値3千CPMだった。スクリーニングを終えた証明書を手渡された。ホッとした。
 
保健所から出るときに職員から聞いた。「証明書を持っていないために、県内外の介護施設への入所を断られたり、病院から受け入れ拒否にあうなどの事例が起きています。大切に保管してください」

目を疑ったメモの中身

その後、原子力安全・保安院のものだというメモを見ることができた。中身を見て、自分の目を疑った。
 
メモにはこうあった。「状況 さきほど東電責任者。112号 ききてき、 1812 ねんりようぼうろしつ、2020 ろしんようゆう、2030 かくのうようきそんしょうの可能性、2222以降 メルトダウン。ベンドはつかえる様になったか。流水は少し、入れはじめたが余談を許さない。しかし 事態は重大、きき的。最悪の事態を前提に対策をたてる」
 
誰のメモなのかはわからない。ただ、文面はひらがなが多く、「予断」を「余談」と書き間違えてもいる。
文字が震えていて、一文字一文字から、暴走を始めた原子炉を前にした緊張感が伝わってくる。
 
実際、福島第一原発は14日に緊急事態に陥った。午後6時22分から原子炉内に海水の注入を始め、午後8時37分から放射性物質を含む水蒸気を外部に放出した。午後H時前後に、蒸気排出弁(ベンド)が閉まった。人手したメモと状況は合致している。
 
問題なのは、このメモの内容が私たちに正確に伝わっているかだ。
 
枝野幸男官房長官は14日夜の会見で、炉心溶融について、「可能性は高い」ど述べた。ところが、東電と保安院は、いまも福島第一原発の炉心については「炉心損傷」と表現し、「溶融」や 「メルトダウン」とは明言していない。
 
もちろん、このメモがどこまで正確な情報なのかはわからない。仮に保安院の検査官が書いたメモだとすれば、東電も保安院もそのような認識を共有していた時期があった可能性はある。
 
政府の発表した原発事故の情報に疑いの目を向ける人は少なくない。海外からも、日本政府は信用できないと思われている。
今回、原発前まで行って、情報公開はやはり不十分であることがよくわかった。
 
いまは、国民の安全が脅かされている緊急時だ。情報を包み隠さず、わかりやすく知らせることが何よりも大切だろう。

さらに続く…「週刊朝日」4月22日号から。

2011年04月13日 00時43分52秒 | 日記
パソコンだけ使わせてほしいと私か言うと、「何か悪さしなきゃいいですよ」と言って、少し話し込んだ。
男性はゆっくりとこんな話をした。
 
「放射線は怖いです。でも、ここはやはり生まれ育った町だから、離れたくないんです。みんなそうなんじやないですか」
 
車中で眠り、翌4月2日を迎えた。
半径20キロの避難指示区域と半径30キロの自主避難区域、半径30キロ以上の区域が混在する南相馬市には、いまも約3万人が市内にとどまっているとみられている。

早朝、普段着にマスク姿で国道6号を犬と散歩していた男性はこう言った。「女房と3月27日まで避難所にいましたが、窮屈だから家に戻ってきました。放射能は怖いけど、ここは第一原発から遠いから。また次に(原子炉が)爆発するようなことがあれば逃げるけど」
 
南相馬市を出て、大熊町に戻った。街には、やはり動物たちしかいなかった。首輪を付けたまま、犬が数匹で道路を歩き回る姿を見かけた。犬や猫などのペット、それに牛、馬などの家畜がエサを探して街をさまよっていた。牛たちは寒いせいなのか、集団でビニールハウスの中にいた。
 
避難指示区域のペットの保護活動をしているNPOエンジェルズの林俊彦代表によると、20キロ圏内には約3万匹のペットがいる。
現在、約600件の保護要請がきていて連日レスキュー活動を展開しているが、とても全部は助け切れないという。
 
「避難指示が出たときは、みんな2~3日で家に戻ってこられると思っていたようですが、動物が水とエサなしで生きられるのは10日か限度。タイムリミットが迫っている」(林代表)
 
大熊町の中心付近に入ると、福島県原子力災害対策センターという建物があった。看板を見ると、「経済産業省 原子力安全・保安院」とあったので、駐車場に車を止め、原発の現状を聞こうと、扉を押した。カギはかかっていなかった。無人の部屋には、やかん、ペットボトル、ポリタンク、使用済み防護マスクなどが無造作に置かれていた。震災後、ここで慌ただしく対策会議が開かれた様子がうかがえた。だが、人が現れる気配がなかったので、取材をあきらめた。

ドキドキのスクリーニング

保安院によると、この施設は、福島原発の定期検査などのために検査官がいる現地事務所のような存在で、8人が常駐している。
震災当日の3月11日から保安院の前線基地として使われていたが、電源がなくテレビ会議ができないことなどを理由に、3月15日昼に移動を始め、16日から福島県庁に機能を移した。
 
その後、原発内の作業員が寝泊まりしているJヴィレッジで菅直人首相の視察を取材した。日本の報道陣はだれもいなかったが、イタリア人の新聞記者が1人来ていた。
 
東京に帰る前、いわき市の保健所で、被曝線量を測定してもらった。

続き…「週刊朝日」4月22日号から。

2011年04月13日 00時16分58秒 | 日記
満員の中型バスの窓際に座った作業員たちの表情は防護マスクに遮られて見えない。だが、皆一様にうっむき、目を閉じているように見えた。疲れがたまっているのだろう。
 
ほどなくして、福島第一原発の正門に着いた。精密分析装置を載せた東京消防庁の車両が横付けされ、入り□では2人の守衛が訪れる車両を1台ずつチェックしていた。成田空港に入るときの手荷物検査より緩い。仮に、強行突破する気になればできそうな気配だ。
 
不審者が第二原発のゲートを突破して捕まったとのニュースを前日の31日に聞いていた。
 
正門ゲート近くで場所を変えながら放射線量を計測してみた。画面上にオーバーロードと表示され、鳴り響く警報音と同時に数値はみるみる上昇していった。
500、600、700…と上がり続ける。2分ほど歩くと、木が生い茂っている場所にでた。ここで、手持ちの線量計は最高値を示した。
 
毎時1015マイクロシーベルト(約1ミリシーベルト)。
1時間この場所に居続けたら、一般の人が年間に浴びる人工放射線量の限度値になる。
急性被曝の場合、リンパ球が減少するなど被曝の症状が見られ始めるのは放射線量が毎時500ミリシーベルトを超えた時点といわれる。
 
線量計を借りた、米ミリオンテクノロジーズの日本代理店、テクノヒルの鈴木一行社長は、こう言った。
「この測定器は毎時100マイクロシーベルトまで誤差5%の範囲だが、それを超える放射線が測定されると、正しい数値なのかどうかはわからない」
 
今回の測定値1015マイクロシーベルトは、そのまま信頼できるか疑問だとはいえ、同じ時刻に東京電力が発表した正門前の放射線量「142」の約7倍だ。
東電の情報は正確なのだろうか。
 
線量計の数値を見る限り、第一原発から高いレベルの放射線が漏れ出ているということは間違いない。いずれにせよ、のんびりと取材していたら自分の身が危ない。足を速めた。
 
第一原発西門の近くに民家が一軒あった。庭先をのぞくと、つながれている3匹の犬がいた。飼い主が避難してから何も口にしていないのだろう。持っていたおにぎりとドッグフードを与えると、うち2匹はほかの犬の首にかみついて相手を制しながら、エサを奪い合った。このままでは犬たちは餓死してしまう。すきを見てリードを外そうとしたが、気が立っているため、こちらに襲い掛かってくる。可哀想だが、リードを外すのはあきらめた。

「爆発したら逃げるけど」

原発付近に長くぃれば被曝線量が増える。30分ほどで、原発から移動し、南相馬市へ向かった。
 
日が落ちると、周囲は真っ暗になった。避難指示区域では浪江町など一部以外、街灯はついていない。パソコンを使うのに、明かりが
欲しかった。
 
午後9時ごろ、南相馬市の日本通運配送所に電気がついているのを見つけた。
光が届く範囲に車を止め、パソコンを取り出した。しばらくすると、20代に見える従業員の男性が近づいて
きて言った。
 
「あなた、ここで何してるんですか」

双葉町の人たちはいまこの看板をどんな思いで眺めるのか(上)/牛舎横のビニールハウスに牛が集団でいた(同2.8キロ=下)

しかし、今、フジテレビのニュース・ジャパンで管直人の記者会見の映像が流れたのだが。

2011年04月13日 00時02分55秒 | 日記
(文中敬称略にとどまらず)

これまでの、妙な顔…腹に一物の顔を言ったら一番分かりやすいだろう…とは、打って変わって、物の卦が落ちた様な、さっぱりした顔で、
いけシャアシャアと、「我が国で最大級の原発事故が発生しました…」だと。

一体、なんちゅう奴だろうか…そんな事は、とうに知っていたはずじゃないか。

この男の、現内閣の保身と延命の為だけに…勝てる訳もない事も分からず、この大震災を利用すれば点数が稼げるでも思ったのだろう、浅ましい根性で、統一選挙までは発表を控え続けて来た、隠し続けて来た、と言うのが、真相であるこは、もはや、テレビだけを見ている馬鹿を除いては、誰でも知っていると言うのに。…彼は知っているつもりなんだろうな…世論を作るのはテレビであり、新聞であると。


彼は、今、巷に満ちている、或いは潜み、蠢いているあらゆる悪の根源であると言っても、もはや過言ではない。

何故なら、彼とその一派は、自分達の保身、延命、人気取り、あわよくば統一地方選で盛り返したい、…そんな事の為に、福島県人と国民を弄(もてあそ)んだのだから。