文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

鏡に映ったニッポン…4月17日、日経新聞8面から。

2011年04月19日 12時55分54秒 | 日記
外国だけが情報不足なのか      文中黒字化は芥川に依る。

地震が起きた3月11日からしばらく、インターネットに流れるフランスのテレビニュースを見ていた。地震の当日、リポーターは北京から惨状を報じた。東アジアの拠点を恵只から北京に移していたからである。
 
リポーターは来日し、翌日は東京に立った。しかし、次に彼が立ったのは大阪だった。そして、ニュースは幼児連れのフランス人若夫婦がパリの空港で、出迎えの親と涙を流しながら抱き合う場面を映し出した。
 
メディアの関心は地震・津波の被害から原子力発電所の事故に移っていた。リポーターが大阪に移動すれば、「東京は危ない」という信号になる。仏ルモンド紙に、チェルノブイリならぬ「チェルニッポン」なる言葉が登場したのもこの頃である。
 
フランスに限らない。一方では日本人の勇気や自制心がた毒えられ、各国の支援の動きも素早かった。しかし、もう一方では東京脱出や帰国のラッシュが始まっていた。一外国企業が大阪のホテルを700室押さえた、という話も耳に入ってきた。
 
そうした動きに、不快感とはいわないまでも違和感を覚えた日本人も多かっただろう。情報が正しく伝わっていない外国人が過剰に反応し、日本を見捨ててるかのような行動に出ているのではないか、と。
 
確かに不安をあおるような報道、誤報は目についた。花粉症対策のマスク姿が、あたかも放射性物質を恐れているからのように報じられてもいた。だから、外国向けにもっと正確な情報を発信する努力をしなければならないという意見が強くなる。
 
しかし、正確な情報、知りたい情報を得られなかったのは外国メディアや外国人だけだったのだろうか。外国に映っているのは、日本の情報の出し方そのものの問題ではないか。巨大地震から1ヵ月を経て、そんな思いを強くしている。
 
3月末、外務省や経済産業省などが東京で外資系企業を集め、震災と原発事故の現況を説明した。出席者によれば、企業の関心は原発事故に集中し、特に「最悪のシナリオとしてどんな事態が考えられるのか」という質問が相次いだ。
 
社員の安全や保険がからむ。起こりうる「最悪」を念頭に対策を考えるのは組織にとって当然であり、原発事故が起きて以来の東京脱出の動きも、そうした趣旨だと理解できる。「社員の来日にはイラク行きと同じ最高レベルの決裁が要る」という外資系企業もあったのだ。
 
これに対し、政府側の答えは「適切に対処している」「1日も早く事態を収束するよう全力を尽くす」の一点張りだったという。「安心してほしいと言っていることは分かるが、安心できる情報は何一つなかった」と出席者は振り返る。

質問をはぐらかす物言い。じつは日本の記者会見でおなじみである。近くは今月13日、清水正孝・東京電力社長が収束の見通しなどを聞かれ、「1日も早く」 「全力を挙げて」と繰り返したのが記憶に新しい。
 
1日前の12日には、原発事故の深刻度を示す国際評価尺度を最悪の「レベル7」に引き上げるという発表があった。「事故後1力月もたってからチェルノブイリと同等だとは……」。外国メディアや外国人の中に、改めて情報の出しかたに不信感や憤りが生まれたが、それは国内メディアや日本人が受けた感覚と同じであろう。
 
同じ日に菅直人首相は記者会見で、東電に事故収拾に向けた見通しを示すよう指示したと語った。
「一番知りたいことについて、今まで首相は何の指示も出していなかったのか」。こちらはむしろ、驚きに近い。それも内外に共通である。

 
日本語に堪能なスイス人ジャーナリストのM・クインタナ氏は、「日本では、原子力についての正確な情報を速やかに、積極的に出すということに抵抗感かおるのではないか。情報を出すタイミングが管理されていると感じる」と指摘したうえで、日本語に潜む問題を挙げる。
 
「政府の発表やニュースには、『~と思われる』という主語のない文章、『~は否定できない』といった言い回しがたくさん出てくる。外国語に論理的に訳しようがないし、もし悪意があれば、こうした曖昧な特徴を使って誰も責任をとらずにいくらでも好きなことが言える
 
巨大地震と津波、そして原発事故は世界にとって大事だった。世界がニュースを追い求めたこの1ヵ月余りで明らかになったのは、政府や東電から発表される情報の中身と必要とされる情報の落差である。得られる情報量に国内外の差はあったに違いないが、それはおそらく、本質的な問題ではない。

論説委員 小林 省太
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谷垣氏は「昔から『憲政の常道』という言葉がある。…今朝の朝日新聞4面から。

2011年04月19日 12時46分09秒 | 日記
政権の奪還に谷垣氏が意欲  首相の退陣念頭
 
自民党の谷垣禎一総裁は18日夜のJ-WAVEの番組で民主党は野党第1党の自民党に政権を譲るべきだとの考えを示した。
 
谷垣氏は「昔から『憲政の常道』という言葉がある。数から言えば民主党の中で誰を選ぶかという議論もあるが、そこで行き詰まった時は最大野党に政権を渡すことも戦前の政権交代の中ではあった」と指摘。
 
そのうえで谷垣氏は「そういうものを今後どう展開していくのか、よく頭をしぼって行動していかなければいけない」と語り、菅直人首相の退陣を念頭に政権奪還に意欲を示した。
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■首相、なぜお忘れ?…今朝の朝日新聞4面から。

2011年04月19日 12時29分01秒 | 日記
18日の参院予算委員会で菅直人首相が自ら参加した原発事故を想定した防災訓練の内容を問われ、「詳しくは記憶していない」と答弁する一幕があった。
 
自民党の脇雅史氏が「原子力総合防災訓練のテーマを覚えているか」と質問。首相は「詳しい内容は記憶していないが、いろいろな地震等を想定したことではなかったかjと答弁した。

首相は昨年10月、本部長として中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)を舞台にした訓練に参加。放射性物質放出の恐れが出たという想定だった。
脇氏が「何のための訓練か」と詰めると、首相は「一般的な認識は持っていた」などと釈明した。

*彼が首相になったのは、棚からぼた餅の事だった…衆知の事実である、あの稚拙で独りよがりそのものだった消費税増税、突然発言と、その後、繰り返された「まことしやかな××」に依る、言い逃れ発言の連発で、民主党が歴史的大敗を喫したにも関わらず、当然であるべき総辞職を免れたのは…憲政の常道=民主主義の常道から外れて…何度も何度も政権がコロコロ変わるのもなぁ、という、本来の在り様とは、何ら関係がない視点、論点からだった。

その様な者の頭の中に在る物が、常に=四六時中、己の支持率アップには、どうしたら良いか、ただ、それだけで、其処に在る事実や真実が見える訳がないだけではなく、自分が、格好の話題作りだ、これで浮揚できると飛びつく、或いは、それを隠した、見え見えのしかつめらしい顔での視察等が、とんでもない結果を招いたのは必然だった訳だが。

今度は、「そんなことはありません」などと言う…幼稚園児の口応え、反論の様な事を、延々と繰り返すのである。

それは誰であり何者なのか?…我らが、偉大な国の、「首相」であると、マスコミは言う。
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首相、弁明また弁明…今朝の朝日新聞4面から。

2011年04月19日 11時32分23秒 | 日記
梅棹たいじんは、「梅棹忠夫 語る」に於いて、…で始まる、この章の、冒頭の部分は、メルマガとして12:40分発送としました。…この部分は、梅棹たいじんと芥川の様な人間にしか気づかないものです…つまり読むべき値打ちが大いに在るものです。どうぞ、御購読ください。



原発視察は適切だったか

「現地の声有益」
 政府参考人として出席した東京電力の清水正孝社長

「電源、通信機能が喪失し、作業に時間がかかった。その中で総理が来た。視察は特に影響はなかった」と述べた。
 
公明党の加藤修一氏が 「首相の視察が初動対応のブレーキになったという批判がある」と清水社長に指摘。首相の視察時には原子炉格納容器の圧力が高まっており、首相は視察前に放射性物質を含む蒸気を外部に放出して圧力を下げる 「ベンド(排気)」を東電に指示していた。
 
大門実紀史氏(共産)は「視察は不適切だったと認めるべきだ」と首相に迫った。これに対し首相は「官邸の対策本部から東電関係者に(ベンドの)指示を出しても実行されない。現地で責任を持っている人の話を聞こうとした。(視察でペントが行われるという)その後の対応につながった」と語り、視察の効果を改めて強調した。

-「20年住めない」言ったのか

「全く事実無根」
野党側は首相が「福島第一原発周辺は10年、20年住めない」と語ったとされる問題も追及した。岩城光英氏(自民)は「軽はずみな発言は慎んでほしい」。
加藤氏も「責任者としての資格があるのか疑問」と批判した。小野次郎氏(みんな)も「長期間住めないとの認識があるのではないか」と詰め寄った。
 
首相は「そういう発言をしたことは全くない。事実無根だ」と発言を否定。東電が17日に示した事故収束への工程表が予定通り進むことに期待を示し、「6~9ヵ月たった段階で、できるだけ多くの人が戻れるように努力する」と語った。

退陣求める議員も
 
野党からは首相への退陣要求も相次いだ。自民党の脇雅史氏は「多くの国民が首相のリーダーシップに疑問符をつけている」と批判。首相は「私がどういう行動をとったか見て頂ければ、初動か不十分だったという指摘はあたらない」と反論した。

だが、脇氏は「(菅首相は)日本の総理としてふさわしくない。一刻も早く辞めることをお願いしたい」と突き放した。
 
加藤氏は「統一地方選の前半戦で民主党は大敗北。菅政権はノーということだ」と批判を強めた。
 
たちあがれ日本の片山虎之助氏も「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。復興に道筋をつくった後、次の人に譲るのも選択肢だ」と要求。首相は「責任から逃れるつもりはない」と、続投に強い意欲を示した。

*彼の支持率は、今でも20%前後であり、不支持率=辞めてほしい、は、ほぼその3倍というのが、国民の声。…何故か、各紙の世論調査に比べて6%は甘い数字であるNHKの昨夜報道された世論調査でも、ほぼ、その比率。

一体、今、彼以外の誰が、彼の続投なんぞを望んでいるのか。…彼を見るたび、彼が性懲りもなく繰り返す「まことしやかや××」を、げんなりして聞いて居る国民の嘆きが彼の耳には届いていないのか。

この米国と屹立する、世界最高の民主主義国家である日本で、この様な「裸の王様」状態の人間が、なぜ、在り得るのか。
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