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明治ホールディングス(HD)は中国で牛乳・乳製品市場に参入する。
上海市近郊に工場を建設、2013年1月をメドにチルド(冷蔵)タイプの牛乳やヨーグルトの生産・販売を始める。
日本の乳業大手が温度管理が必要な牛乳を海外で生産するのは初めて。
製品の品質管理も徹底し、安心・安全を売り物にする。
中国を足がかりに海外事業を本格展開する方針だ。
明治HD傘下の食品会社、明治(明治乳業と明治製菓の食品部門が統合して4月に発足)がこのほど蘇州市(江蘇省)に約30億円を投じて100%出資の生産子会社を設立した。
工場の敷地面積は約3万4000平方メートルで、年内に着工する。
従業員は約200人、牛乳などの生産能力は年間約2万4000キロリットルで、国内の主力拠点並みになる見通し。
現地の大手スーパーやコンビニエンスストアなどを通じ、紙パック入りの牛乳や「ブルガリアヨーグルト」など日本での主力品をベースにした商品を販売する。
小売価格は牛乳1リットルで20元(約250円)程度となる見込みで、現地企業の商品と比べて2倍近く高くなりそうだ。
原乳は現地の生産者と組んで調達。
工場での製品検査のほか調達先に社員を派遣するなどして、原料の品質検査やトレーサビリティー(生産履歴の管理)も徹底する。
明治によると、中国の牛乳・ヨーグルトの市場規模は年間1兆5000億円程度で、年率10%超増の高成長が続く。
ネスレやダノンなど世界の食品大手も事業展開し、現地の乳業大手を含め競争は激しさを増している。
中国では常温で長期保存が可能な「ロングライフ牛乳」が主流だが、新鮮な味わいのチルド牛乳の需要が都市部を中心に高まっている。
明治は日本で培った高い生産技術を中国に持ち込み、安心・安全に関心の高い消費者に売り込んでいく。
現在、明治の中国事業は菓子が大半で、売上局は40億~50億円程度。
これを牛乳の生産を開始してから数年内に150億円程度に伸ばす計画だ。
中国では08年に粉ミルクに有害物質のメラミンが混入し、乳幼児に健康被害が多数発生した。
食の安全に対する関心が広がる中で、「日本の食品に対する信頼性は高く、価格が高くても購入する消費者が増えている」(明治HD)。
アサヒビールと伊藤忠商事の共同出資会社も08年から現地で高級チルド牛乳の製造・販売を手掛けている。
明治HDは20年度に海外での売上局を現在の3倍の1500億円にする方針。
中国企業が欧州のエンジニアリングとハイテク分野の企業への投資に本腰を入れ始めた。
銀行関係者や産業アナリストは世界のサプライチェーン(供給網)の支配強化を狙う動きと指摘する。
中国政府も輸出に頼らず海外に根を張るよう発破をかける。
中国企業の多くは直接投資に対する「保護主義的姿勢が少ない」欧州の方が米国より進出に適しているとみているという。
標的は多くの欧州企業が強い基盤を持つ機械と材料、特殊部品だ。
中国企業が欧州事業買収について「低コスト製造業の蓄積しかない中国企業に商品製造プロセスの上流部分の専門知識を与える」格好の方法だとみているとの指摘もある。
中国企業は3月までの半年で欧州の企業買収や貿易、融資契約に643億ドルを投資した。
前11四半期の同様の数字の倍以上にあたる。
エンジニアリングと製造業が焦点だという。
米投資銀行モエリスのリチャード・オーダー氏は、投資のもう一つの理由として、特定顧客グループの獲得が中国企業の自助努力では難しいとし、欧州での契約を「顧客基盤獲得の早道」だと分析する。
世界の企業は実績のない中国企業からのハイテク部品購入をためらうそうだ。
英国も中国の関心を引く。
「英国には興味深いエンジニアリング分野で過小評価されている企業がある、とみる中国企業が多い」と英銀行関係者は語る。
ダイネックス・セミコンダクターは電気モーター制御の特殊電子機器生産の英最大手だが3年前、中国の二大鉄道列車製造企業の一つ、中国南車に買収された。
専門家の中には欧州企業買収は失敗すると警告する向きもある。
オーナー企業が欧州のビジネス習慣を理解できないからだという。
(26日付)=英フィナンシャル・タイムズ特約
平成23年4月27日(水)日本経済新聞1面
旭化成はサウジアラビアで家電製品や自動車に使う高機能樹脂原料を合弁生産する。
サウジの政府系公社や三菱商事と組んで合計で約400億円を投じる。
工場が稼働する2014~15年には同原料では旭化成が世界シェア首位に浮上する見通し。
基礎原料が2割程度安価に調達できる中東に同社として初の生産拠点を設け、国際競争力を高める狙い。
子会社の旭化成ケミカルズと三菱商事が現地の化学大手、サウジアラビア基礎産業公社(SABIC)と折半出資で合弁会社を設立。
ペルシャ湾沿岸のアルジュベールに年産20万トンの工場を建設する。
生産するのは合成樹脂原料「アクリロニトリル」で、液晶テレビなどのボディーや自動車の内装部品などに使うABS樹脂の主原料となる。
旭化成の世界シェア(10年)は約13%で英イネオスに次ぐ2位だが、タイや韓国での新設備稼働に加えてサウジでの工場新設で、生産能力は13年計画段階より約2割多い年140万トン規模に拡大。イネオスを上回る見込みだ。
同製品の事業規模は15年に現在の2倍の3000億円規模に拡大するもようだ。
▼あおき・まさひこ 38年生まれ。東京大卒。京都大教授、スタンフォード大教授などを歴任。現在はスタンフォード大名誉教授。専門は比較制度分析。
評者:東京大学教授 松井彰彦
黒字化は私。
先端の企業理論生む根源的問い
他の経済理論同様、企業理論も現実の世界経済の環境に呼応するように変化してきた。
経済が安定的に成長する時期には、効率的に利潤をあげていく株式会社に株主の資金が集まるため、株式会社が一つの理想形に向けて進化していくという利潤最大化仮説が支配妁な考え方となる(株主志向型)。
ところが、利潤追求の企業行動等によって、ひとたび危機的状況が生じると、株主以外の当事者である経営者や労働者などのステークホルダーの行動に注目が集まり、どのような企業がどのようなリスクに強いかといった企業の多様性を想定した議論に人々の関心が移る(ステークホルダー志向型)。
2つの世界大戦後の復興期や2008年までの世界的な好況期が前者に、1930年代の大恐慌期、日本脅威論が席巻した80年代、金融危機に見舞われた現在が後者に当たる。
本書は、コーポレーションとは何かという根源的な問いを見据えつつ、2つの志向型を統合する形で、多様な進化を分析するための学際的な枠組みを読者に提示している。
まず著者はコーポレーションを何らかの目的を持った集団活動に従事する複数の人からなる自発的・永続的な結合体で、独自のアイデンティティーを持ち、時間の経過とともにルールに基づいた自己統治的な組織になっていくものと定義する。
コーポレーションを個人の寄せ集めでは達成し得ない認知と記憶を可能にする結合体と捉え、それが経営者と労働者が織りなすゲームから生まれる複数の組織形態を演じると考えるのである。
その上で著者は、コーポレーションとそれを取り巻く社会との相互依存関係やそれに関連した様々な問題を論じ、その過程で多様性が生まれると述べている。
景気変動を繰り返しながら経済が発展し続けてきたように、企業理論も2つの志向型を行き来しながら進んできた。
本書はその最先端を行くもので、この分野で著名な著者が知的航海の末に辿り着いた新大陸である。
かなり歯ごたえはあるが、既存の学問の枠に囚われず、様々な視点から企業経済を考えてみたい柔軟な発想の読者にお薦めの一冊である。
新聞、テレビの報道等で御存じの方も多いと思いますが、彼の検証、或いは、その事の重大さを指摘した私の、「文明のターンテーブル」(笑)が、日本の中枢に届いて、昨日は、国会で、審議の対象となり、各社が報道する結果と成った。
この、見事な検証・実証記事を書かれた大鹿靖明さんの結論を伝えなければ、画龍点睛を欠くですから、最後の方も掲載します。
その前に、昨夜、確かTBSのニュースで、清水社長が3月12日に、車に乗る前の様子を映した映像が流れたのですが、急きょ入院しなければならぬ様な感じでは全くなかった。元気そのものだった。
…前略。
*以下のコメントと黒字化は私。
国会答弁をすりあわせ
チェルノブイリ級の原発災害は、もちろん事業者の東京電力に最大の責任がある。
が、「戦犯」は東電だけではない。
監督官庁の経産省、そして官邸を含めた民主党政権の閣僚や高官たちにも罪はある。
「ほかにもいっぱいあるのです。でも、すべてウチのせいにされています」
そう東電関係者は言う。
北沢防衛相の「帰投命令」は、民主党政権の罪の一つにすぎない。
東電の勝俣恒久会長は3月30日の記者会見で一連の原発事故の真相を究明するため、事故調査委員会を設けることを明らかにしている。
だが、もう3週間たつというのに、まったく進捗は見られない。
その理由を勝俣氏は4月17日の2度目の会見で、こう述べた。
「社内で時系列的に調査の整理をしていますが、まだ発電所の中の人たちにお話を聞けるような状況にはなっていません。いずれ外部の先生を入れた準備会合くらいまで詰めて、それをステップアップして調査委員会にしようと考えています」
こんな勝俣氏の言い分を東電関係者は、きれいごと、と見る。
真相は違うのだ、と。
「経産省が『こんなときに責任追及なんかしている場合か』と止めに入ったと聞きました。うちの幹部の中には『調査委ができたら、記者会見でも言えなかった本当のことを暴露する』と息巻いている人もいます」
東電社内に設けられた政府と束電の統合本部には、官邸、経産省、防衛省など関係省庁のスタッフや民主党の政治家が詰めている。
「野党の追及を恐れて国会答弁のすりあわせまでしています。口裏あわせですよ」
社内からはそんな声も漏れてくる。
*悪人という者は、そういう者である事が世の常なのは論を待たない。
未曽有の惨事の真相解明と責任追及は絶対に必要だ。
民主党政権による改竄や真相の歪曲を決して許してはならない。