うちの亡父の実家は中信(長野県中部)の山深くにあって、先代までは「かやぶき屋根」だった。
小中学生時分の毎夏休みに帰省すると、その自然メイドな威圧感たたえる母屋の風情には「威厳と温かみ」を覚えたもんである。自分が高校生のころに世帯主であった父の兄が(農業と)兼業だった職場を定年退職。さらに大学を卒業したころ、その息子(つまり自分の従兄)が事実上、家を継いだのに伴い母屋も瓦屋根&床暖房の現代住宅へと改築一新された。以来、自分のなかでは「かやぶき(藁ぶき)=今やナントカ郷とかの観光地に見られるだけの"昔の"屋根づくり」というイメージへと定着していった。
…が。
かやぶき(藁ぶき)は、過去の屋根葺き方式として漫然と消えてゆくのではなかった。現代化に抗(あらが)い、いつまでも古い生活様式に執着する中国人民気質が、「茅(かや)も藁(わら)もブラ成型化すれば現代住宅に転用できる」と考えた。
世界全般的には、茅や藁の類いはサッチと呼ばれる。中国は、その「人工サッチ」の生産拠点なのだ。
どうなんだろう、この中国人の「わがまま」は…❔
まあ確かに、ブラ化しちまえば(生分解してくれない=腐らない、朽ちないワケだから)寿命は格段に延びる。虫に食われる心配も要らぬ。第一、何重に分厚く重ねようと「重さが知れている」。瓦(かわら)なんぞ葺くよか、よっぽど耐震性に優れている。難燃の化合素材とすることで、高い防火性すら担保できる。
それでいて、従来の「かや&わら」で葺く利点である、先人の知恵━━━適度な水はけ・雪はけ効率と(乾燥時の)高い通気性はキープしてくれる。まさに、イイとこ尽くめ🎵である。
今ではカナダの《Parmex》など、これを中国外でブランド化する商社も現れている。
ただブランド名で推察できる通り、彼らが推すのは「かやぶき」ジャンルのなかでも(日本で主流な茅や藁でなく)天然椰子の葉を干したものを模した「サッチ」であり、もっぱら南国向け。日本古来からの「かやぶき屋根」に取って代われるか❔というと、見た目的に無理が💧あるようだ。
=了=
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