こんなことを言うと、「ブルーレイ盤で観る方が高画質で楽しめるに決まってるじゃないか」とツッコむ人が大勢いるんじゃないだろうか。
果たして、その「常識」は正しいのか。あえて先入観ヌキに論じていこう。
Ⅰ そもそもDVDビデオソフトとは何だったのか
先に結論を言うが、自分は70~90年代の洋画……厳密には「35ミリのアナログフィルムで撮られた映画」を、わざわざブルーレイ盤で鑑賞するメリットは少ないと思う。最新技術でリマスタリングされたDVD盤で十分だ。理由はズバリ、そもそものオリジナル映像がデジタル撮影された最近の映画ほどには「高画質じゃない」からだ。
それに、制作方針がDVD盤とは違うことに伴う「デメリット」が見過ごせない。仮に、平成生まれの人が「一度も観てない昔の洋画」を研究したくて(ブルーレイ盤を)購入するならメリットの方が優るだろう。まぎれもなくDVD盤よりブルーレイ盤の方が、「オリジナルの映写フィルムを忠実に高画質化」しているからだ。
けど もし、あなたが昭和生まれの中高年であれば❔ 観たい作品が…若いころにTVの洋画劇場やVHSビデオ(※セル/レンタル問わず)、はたまた2010年以前に初リリースの「デジタル技術でリマスタリングされる前の初期に発売された」DVDで何度も何度も繰り返し観た作品であれば❔ その場合には、一般には広く知らされていない「ブルーレイ盤で鑑賞するデメリット」が無視できなくなってくるのだ。
どういうことか。 これら↑ 前述の鑑賞ルートには、ふたつの一貫した共通点がある。
(1)映画館でフィルム投射された映像ではない。
(2)アナログ・モニター(ブラウン管式TV)での視聴を前提としてる。
(2)アナログ・モニター(ブラウン管式TV)での視聴を前提としてる。
ちょっと引っかかった人がいるかな❔ たしかにパッと聞き、DVDディスクが"アナログ"TVモニター前提の再生技術だっ❕ と言われちゃ💧 訝しく思われても仕方ない。
…が。
技術史をヒモ解けば、そこは順番的にも揺るぎない。世界初の DVDビデオソフトが登場するのは1996年10月。日本の家庭でデジタル液晶TVの普及が本格化するのは(2011年の地デジ移行を睨んだ)2009年以降。ざっと言えば、DVDビデオデッキは液晶TVが一般化してくる10年も前から「市場に飽和して売れなくなったVHSビデオデッキを追っぱらう"代替わり用の"戦略家電として」世のなかに売り出されてたんである。
初めてDVDビデオソフトが店頭に並んだ時分にゃ、「(DVD映像は)VHSで観るより格段に⚡クッキリはっきり、発色も良く鮮やかな映像を、早送りしようがポーズしまくろうが、まったく画質を劣化させることなく🎵いつまでも半永久的に所有できます」ってバラ色の宣伝文句が行き交った。同世代のかたなら、今でもご記憶だろう。
だが。。。その一番の売り文句ゆえに、当時の売れ筋=アナログ撮りされた銀幕の名作たちは「ゆがんだ画質調整を経てディスク媒体化」される道をたどるのだ。いったい全体、わたしたちが若い頃に見慣れた洋画の「どこがゆがんだ画質だ」って言うのだろうか。
百聞は一見に如かず。1985年公開の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のワンシーンを例に、「洋画鑑賞画質の変遷ヒストリー」を⌚なぞって頂きたい。
Ⅱ オリジナル映写版からブルーレイまでを比較
▼ 映画館 オリジナル画質
もともとの原版フィルムは「わたしたちが憶えてるほど」色味が強くない。
▼ 洋画番組 ビデオ録り画質
いきなり原版フィルムより、コントラストと色味がキツくなる。
▼ VHSソフト 再生画質
アナログTVで受信&録画するよりは高画質で、色味も抑え気味に。
▼ DVDリマスタリング画質
格段に画質が上がるが、VHS版と比較される位置づけのため彩度キツめに補正。
▼ 最新ブルーレイ画質
もともとのフィルム映像に最も忠実で精細に、微妙な明暗差までリアルに蘇る
…が、「慣れ親しんでいた"アナログ映り"の記憶」はリセットを余儀なくされる。
もともとの原版フィルムは「わたしたちが憶えてるほど」色味が強くない。
▼ 洋画番組 ビデオ録り画質
いきなり原版フィルムより、コントラストと色味がキツくなる。
▼ VHSソフト 再生画質
アナログTVで受信&録画するよりは高画質で、色味も抑え気味に。
▼ DVDリマスタリング画質
格段に画質が上がるが、VHS版と比較される位置づけのため彩度キツめに補正。
▼ 最新ブルーレイ画質
もともとのフィルム映像に最も忠実で精細に、微妙な明暗差までリアルに蘇る
…が、「慣れ親しんでいた"アナログ映り"の記憶」はリセットを余儀なくされる。
Ⅲ DVD盤とブルーレイ盤「視えかた」一長一短
さあ。前章の変遷ぶりを観通せば、いかにDVD盤とブルーレイ盤の「見栄え自体が根本的に違うか」分かっていただけたと思う。
これを1989年のラブコメ映画『恋人たちの予感』を例に、さらに補完説明していこう。まず、DVD盤の再生画像。
ちょっと、ここでテクノロジー的なクイズを。
この↑画像は どのくらいの元画素数を引き延ばして表示されてるだろうか。…約34.5万画素❔ ハイ間違い❕💧 である。
前述した通り、DVDビデオ規格は「アナログTV時代」に策定された。したがって映像フレームの縦横比(=いわゆるアスペクト比)は、元祖スタンダードサイズの3:2。画素で言うと480ピクセル×720ピクセルで構成されてる。テレビ放送自体は4:3画面で送信されてたから、画面の上下に若干のクロ余白が入る程度。これ全部で約34.5万画素なワケだから、ビスタサイズ(1.85:1)のDVD映像は23万画素程度からしか成り立ってないのである。ブルーレイのフルHDサイズ(約207万画素)に比べると実質、ざっと9分の1サイズってワケだ。
だから理屈じゃ「DVD映像の9倍の細かさまで視える=ブルーレイ映像」というスペックなのだが、冒頭に断ったように「しょせん解像度の粗いアナログ方式カメラで撮った」前世紀映像ではそこまで精細には映るようにならない。デジタル技術でリマスタリングかけたとして、せいぜい1.5~2倍の細かさ💧 止まりである。
下↓ のブルーレイ再生スチルは、原版フィルムから再"デジタル読み録り"編集をかけた最新リリースのバージョンだ。前掲↑ DVD再生版より、上下方向にも左右方向にも「広範囲が映ってる」ことからも、改めてリマスタリングされたことが明白になってる。
ただ、「1.5倍に精細になりました」ってのもビミョウな話で、パッと見に分かりにくい。チョイ、部分拡大🔍してみたのが次の比較イメージだ。
ご覧のとおり、実は(マスタリングに際し、元のアナログフィルムからの読み取り画像範囲が異なるため)DVDとブルーレイでは、イメージの縦横比まで違って再生される場合もあり得る❕❔のだ。
最新ブルーレイ盤では、たしかにDVDで鑑賞するより細やかで緩やかな再現性、色彩の細やかな濃淡をも堪能できる。しかし逆に言えば、それが「視覚的によりクッキリと視認できるような映像」であることは意味してない。それこそがブルーレイ画質の真実なのであり、本記事の結論でもある。
最新ブルーレイ盤では昔、アナログ受像機を通して観た(観るしかなかった)ような色のケバさ、濃淡のコントラストは発生しない。実際(初公開当時に)それを映画館に出かけて観たとすれば、『恋人たちの予感』というオリジナル作品はそこまで色味が濃くも、コントラストが極端でもない映像だったからだ。
わたしは以上の事実から、中高年世代が若いころに観た記憶映像を「鮮やかに呼び覚ましたい」と思ってビデオソフトを買い揃えたいなら、ブルーレイ画質は「目的にかなってない場合が多い」と結論づけざるを得なかった。色めきたってた思い出のシーンに立ち還りたいなら、リマスタリングされたDVDの方が間違いなくベターチョイスだ。
そうじゃなく、いったん過去(の感動や興奮)は無かったことにする。新たに、本当にデジタル高画質化した「あの作品そのままの姿」も見極めてみたい……とまで思えるエネルギッシュな好奇心を備えた人にだけ、「ブルーレイ盤をチョイスする」という選択肢もアリだろう。
=了=
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