ついさっき、近所の食品スーパーで「IH対応 ステンレス両手鍋」を買ってきた。(品数の関係上)特売チラシにも載らない、常備商品の在庫一掃特価のようだった。通常なら「見切り品」としてワゴンセールのワゴンに回るべきところだが、さすがに物のサイズがデカいので普段の陳列棚に並べだままの状態で『SALE』の張り紙を付けて売られてた。お値段、780円(税込858円)。
帰宅してAmazonさんの検索を叩くと、同時点で同商品の売価は「2,013円」であった。ずいぶん"歴然とした"価格差が開いたモノである
きょうびの世の中には、「モノが何だろと、販売価格が最安なのはAmazonに決まってる」と、会う人会う人に(したり顔で)吹聴して回る人が増えているようだ。
いゃさすがにそりゃ、明らかな誤解である。実際の話、そんなコトはない。
強いて言えば、「リアル店舗チェーン」VS「巨大通販モール」という図式で見た場合、「リアル店舗の方が現代の販売商戦では劣勢に陥りやすい」というのは、ほぼ事実だ、ってコトくらいか。こういう観点で優劣を語るときは、優劣の主語が「経営者」になっている。経営する側(=売る側)の身になれば、たしかに❕リアル店舗のが舵取りキビしいっ、ってコトなんである。
しかし、前出のように「販売価格が最安なのは…」という観点で見るのは、両者を「利用する側=買う側」主語で比較してるコトに他ならない。
リアル店舗(たとえば食品スーパー)にも、通販超大手(たとえばAmazon)にも、それぞれに相手とは異なる値付けの論理って核心部分があり、結果として、第三者である買う側から見て「スーパーの方が安い」ときもあれば「Amazonのが安い」ときもある(あり得る)。何でもかんでも100%無条件にAmazonの方が安くなる❕ …ワケじゃないのだ。
両者の値付けの論理、大ざっぱに言って、どう違うのか。
俗に、鮮度のいいモノは売れる、と言う。スーパーと巨大通販では、商品の「鮮度と値段」の相関が真逆になるのだ。
食品スーパーはじめリアル店舗では、店頭商品の鮮度を維持するための「在庫管理」に忙殺され、そこに人的コストを浪費する。そのなかで1円でも多く儲けなきゃイケないのだから…
> よく売れるとき[開店~午後1時]は高めに売り、売れなくなると[午後3時~]徐々に安く売る(値引く)
…という"値付け法則"に基本、従うこととなる。そうやって「在庫を余さず売り切る」ことを目指しているのだ。
一方、巨大通販の場合は どうか❔
基本的には(食品スーパーなどと比較すれば)在庫を余さぬよう気を遣う必要はない。なぜなら、「不人気商品や売れなくなってきた(シーズン末期の)商品はそうなる以前に格安設定で売っぱらい、以降は(自社では仕入れ在庫を持たず)注文のたびにメーカー在庫から出荷させる方式に切り替えるからだ。
これは、商品が新旧モデルの代替え(端境)で旧モデルの在庫を掃き、新モデル販売に切り替えなければならない時期にも言える。巨大通販が心がけるのは常に…
> よく売れるとき、より売れるモノほど安く売り、売れなくなれば値上げし、より売れぬモノは高く売る
…ということだ。もちろん、後半の「高めに売る商品」は「自社在庫を掃け切った商品」であることが第一の大前提ではあるが。
一方、そういう「旬の切れた商品」を、食品スーパーの個々の店先ではどうしても一定割合(自店で在庫を)抱えてしまうから、赤字の捨て値で「見切り売り」するしかない。その負い目があるから、リアル店舗は巨大通販に比べ鮮度管理に苦渋せねばならんワケだ。巨大通販なら売れ筋も不人気商品も、どっちだろと利益が出る。その土台ゆえに、リアル店舗には真似のできぬ薄利多売パワーを得ているのだった。
以上……ざっと俯瞰してきた"違い"ゆえ、
①よく売れるモノ、シーズン前半や、売れてる最中の商品は(一般に)Amazonで買う方が安い。
②不人気なモノ、在庫一掃中や、売れなくなる旧型の商品は(一般に)スーパーで買う方が安い。
②不人気なモノ、在庫一掃中や、売れなくなる旧型の商品は(一般に)スーパーで買う方が安い。
…という傾向が見られる。
これを(逆の観点から)購入ガイド的に言い換えると、
Amazonの商品検索で上位に出てこなくなった商品、シーズン末期のアイテム、価格が極端に上がり始めたり「お届けまでの日数が3~4日以上」になってきた商品、購入レビュー欄すら消えた商品…等々は、意外に❔ Amazonで買うよりリアル店舗を探し回った方が、超❕お得、バカ安で叩き売られてる可能性があるかもよォ🎵
っつー話なのだ。購入ルートを選ばず、とことん⚡買値にこだわりたい人はディープにストリート店を自分の足で攻めてみたら^^;いかがだろうか。ではまた
=了=
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