すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

キヨちゃんの災難

2014-09-05 21:14:41 | うちのキヨちゃん
 今日キヨちゃんは補聴器の点検の日だった。そのついでに、かかりつけ医に行く予定だった。前日からかかりつけ医に行く事を気にしていたキヨちゃんは、
 「なあ、入院の事とか黙ってといたほうがいいだろうか?」
と言う。そうなのだ。田舎の年寄り独特の気の使い方、
 「先生にかかっているのに、他の病院に行ったなんて気を悪くするんじゃ。」
と思っているようだった。
 「内緒も何も、お医者さんから手術するからお薬を止めてもいいか~っていうお手紙が届いてるから、先生は知っとるよ。」
 だからわたしがそう教えてあげた。
 「え?ほんなら知っとんじゃなあ。」
とキヨちゃんは納得した。
 くりりんが仕事の前にバス停まで送り、後は自分で行った。仕事から戻ると、忙しくて夕飯の支度が遅くなったと言いながら、おかずを並べていた。
 それから今日の報告がある。まず、病院へ行った。すると当然ながら医師から入院について聞かれる。
 「手術するんですね。担当医はどんな人ですか?」
何だか変な質問だとは思う。
 「若いけど良い先生だと思います。これ以上良くはならないみたいですが、歩けなくなる前に手術しようと言うのでお任せする事にしました。」
とキヨちゃんは説明したらしい。
 それから注射(何のだかキヨちゃんでは分からない。もしかしたら点滴かも)をして、受付で支払いをしようと思ってキヨちゃんはびっくりした。
 何と注射の痕から出血し腕から脇まで真っ赤だったと言う。勿論注射の痕はしばらく押さえていたので、こんなことは初めてでキヨちゃんも焦ったようだ。
 ところが、受付の人は全く意に介さない感じで相手にされない。困ったキヨちゃんは、
 「こんなに血が出てるのにどうしたらええんで?」
と訴えた。ようやく看護師が来てくれ、止血をしてくれた。
 「これから、補聴器の点検に行くって言ってましたけど、そんな恰好で大丈夫ですか?」
と親切に??聞いてくれたらしいが、
 「大丈夫かって言われても、着替えも持っとらんししゃあないでえ。」
と憮然としたようだ。それでもまだ気が済まなかったので、
 「これ(血)、落ちますか?」
と聞いたら、
 「大丈夫ですよ。すぐ洗えば落ちます。」
と暫く洗えるはずもないのに言われたと言うオチつきである。
 しかも、そんな格好で行った補聴器の点検は、今日に限って時間の変更があり見てもらえなかったらしい。点検は次回にしても、電池だけは欲しかったと思っていたら、会館の事務の人が親切に電話して郵送の手続きをしてくれたと言う。
 捨てる神あれば拾う神・・・であるが、血みどろのキヨちゃんは、その人にどう映っただろう・・・。


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コメント (2)
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