特措法による緊急事態宣言そして知事の外出自粛要請が出されてから2週間が経った。
社会的経済的に非常な閉塞状態で、一方ウィルス感染者の数は着実に増えている。
日本の政治行政立法の憲法体制はこの国家的難局に対応できるのかどうか?今みんな心配している。
少しでも危険な兆候があれば保健所に駆け込み何とか感染がないように検査を受けたい治療を受けたいとみんな努力している。
その結果パンデミックを前提としない通常平穏時の医療機関のシステムは、多量の患者ウィルスの時限爆弾みたいな患者が医療機関に集まればそりゃ病院はパンクするわな。
錦糸町の墨東病院も看護師が感染したとか。有明のがんセンター病院も看護師が感染しがん手術の8割から9割を中止する。つまりコロナウィルスの結果、他の一般病院の一般の病気が極めて強固に押し出されているということになる。
これはもう1歩進めば医療崩壊で、その可能性は極めて強い。医者や看護師がコロナに感染すれば そりゃアウトだ。
外出自粛規制がうまく働かない。国民の行動の自由を制限するのは憲法に反する。だから強権発動はできない。外出自粛要請しかできない。一方 一般の人が商売しているのに客が来ないからといってその損失を補償することは憲法上できない。今回1人100,000円の給付をするようだがどういう憲法上の論拠を出すのか見ものである。
果たして政府はこの状態をうまくマネジメントできるかどうか。うまくやってもらわないと国民全体大変な被害に出くわす。死者何万人が生じるかもしれない。
大きな原因の1つは現行憲法がその全文で謳うように 「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」からである。つまり弱肉強食の力の論理と利己主義と言う無政府状態の国際関係の現実を認めず、理想的な他国の善意を重視して軍備放棄する憲法起草である。自分の事は自分で守ると言う極めて単純な人間の原理を 理性という観念で抑えたのである。米軍は番犬様である。番犬も歳をとるしご主人様に反逆することもある。
もちろん理想主義憲法も1面では正しい。が理想的であるが故に現実を無視するもので、理想主義の精神が働くのには平和で安定的と言う限られた条件が必要である。
現在は国家緊急事態である。ウィルスによるテロ状態ともいえよう。マクロン仏大統領の言うように、これは戦争である が現実なのである。
安倍総理も関係閣僚もそれなりに一生懸命やっている。しかしやれることには限界があるし能力の問題もある。戦争の厳しい時代に反発して理想主義に走った戦後政治。70年たった今は 現実処理と言う政治の結果責任を果たせないまま、この後5月の連休明けのみならず、さらに1年あるいはそれ以上の大変な状況を国民に強いる、受け入れざるを得ないかもしれない。
要は戦後70年安穏に暮らして来た幸せな時代が終わって、先が見えない混沌の中で次に生きる道を探していかなければならない。国家や政府のシステム歴の転換を図る事ができるか、甚だ不安である。
コロナの後は日本社会も大きく変わる。従来の終身雇用年功序列会社中心主義、前例尊重 法的安定性、こういった戦後体制は変わらざるを得ないことは言える。ITやAIが世界を覆うシンギュラリティーの時代が駆け足でやってくる。
外出自粛の中でも季節は時間は着実に進む。もう藤の花が咲きはじめた。誰もいない日比谷公園のテニス場である。