おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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舞台照明への、おっちー的考察(1)

2009年03月02日 02時21分20秒 | 演劇・舞台照明
 シリーズ物が多すぎて、収集つくんかいっ!?って感じですが、……まあなんとかなるでしょう。

 今度は僕が足掛け10年以上関わってきた演劇……特に舞台照明に関する連載を始めようと思います。
 内容はちょっと専門的になってしまう部分もあるかと思いますが、僕もなるべく一般的な表現で、分かりやすく書くつもりですし、それでも分かりにくいところにぶつかった場合は、「あぁ、こんな感じかなあ」とフィーリングで感じてやっておくれなさいませ^^。


 さて、僕が舞台照明と出合ったのは、僕が20歳の頃……大学1年生の事でした。
 そのときは当然全くのド素人ですから何をすればいいのかも分からず、先輩の仕事の邪魔ばかりしていました。
 それが大学1年の最後……冬の公演で、プラン(照明の設計・デザイン)とオペ(操作)を1人でいきなり任されることになったのです!
 それは舞台照明を始めてたった3回目に関わった公演でのことでした。

 かなりええ加減な話です。
 でもその期待に応えるために、僕は猛勉強を始めました。
 お金がなかったので、なるべく安く観られる芝居を多数観に行き、(照明の事は憶えていても、芝居の筋は全然憶えていない、なんて事もよくありました(笑))知人から芝居のビデオを借り、それぞれの舞台の照明を分析して学びました。
 それから本からも当然学びました。
 でもあんまり舞台照明の本って普通の本屋には置いてないんですよね。
 それでもさすが劇場を持ってるだけのことはある、「新宿の紀伊国屋」で、ようやく舞台照明の考え方の基礎が書いてある本を見付け、それを熟読しました。

 その本で学んだことが、僕が今やっている照明の基本的な考え方になっています。
 今日は主にその話をしたいと思います。


 『光のデッサン』という言葉があるのです。

 光のデッサンとはなにか。
 それは、ある空間、例えば窓から日の光が入ってきていて、中の蛍光灯もついている、一般的なリビングについて、その空間に存在する光の種類を分析し、図式化することです。
 これでは分かりにくいでしょう。

 今挙げた、一般的なリビングの光を実際に分析してみましょう。

 まず、すぐに挙げられるのは2種類の光。
 「窓からそそぐ太陽の光」と、「蛍光灯の明かり」ですね。

 次に、それぞれの光の質と色を分析します。

 太陽の光は、おそらく四角い窓から、真っ直ぐ斜め下に「そそぎ」(こういう光のことを、『指向性』のある光、と呼びます)、床や壁に当たっています。
 ここで、太陽の光が、「床や壁に当たっている」ことを忘れないでください。これが後で大切なデッサンの要素になってきます。
 太陽の光は指向性のある光なので、全ての光の筋が平行で、真っ直ぐです。
 だから、床や壁に当たった光の「集合」の形は、窓の形になるはずです。
 以上が光の質の話でした。

 太陽の光の色は、当然白色ですね。この場合昼間であると想定しましょう。
 ここで気を付けておくと後で便利に使えることがあります。
 それは、『白色の光は、虹の色7色とその間にある色全てを含んで、白い色として見えている』ということです。
 プリズムってありますね。あれで、昔、太陽の光を分散して虹色の帯を映す遊びをしたことはありませんか?
 あの理屈です。
 あれだけの種類の色に分けられるってことは、白い色の光には、それだけの色の光が含まれているってことです。


   <続く>