この文章は、第20回心のダンス文章塾、特別企画「旨いもの賞」によせたものを、800字の制限を設けずに書き直したものです。といっても、最後の部分に少し加筆しただけですが。
オリジナルはこちらをどうぞ。
やっぱりな
私はそう思いながら、Tさんに握手の手を差し出した。
その時の Tさんの手のしわが記憶に残った
私は、某商社のシステム部で働いている派遣社員の1年生。
同じ部署の先輩に、TさんとKさんがいる。
2人とも40歳くらい
いつもこのお2人に優しく面倒を見てもらってる私。
Kさんは女性
丁寧な言葉遣い 優しい物腰 明るい、みんなを元気にさせてくれるその声。
女の私にも、彼女の魅力はよくわかる。
男性Tさん
話しかけてくる人には誰でも優しく応対
でも
自分から話しかけることはほとんどしない。
ところが、K女史だけには なにかと明るく声を掛ける
不器用なひと。
私は
その意味をわかってるつもり。
付き合ったりしないのだろうか?
2人とも独身だと聞いている
枯れかけた花に水はやらないのだろうか
もう うんざりなのか
昼休み 思い切ってTさんを誘ってみた。
珈琲が美味しいと評判の喫茶店
木製の看板に彫ってある店の名前
Tさんが先に入る 扉を開けるとカランとベルが鳴る
ここは、Tさんお気に入りのお店
ここの珈琲飲んでみなよと、私に薦めてくれた。
いつもファーストフードか、チェーンの珈琲ショップでお昼をすます私。
注文し、出てきたランチを食べる
パスタおいしい
食べたあと
テーブルの上に残っているもの
Tさんはアメリカンをブラックで。
わたしはアイスカフェオレ。
もう子供じゃないんだから
私は、Tさんのことが好き。
歳は20も離れてるけれど、うらびれた感じ、背中の哀愁がたまらない。
私は告げた
私「つきあってもらえませんか?」
刹那 空気が固まる
指1本動かせない
私はTさんの顔を見られなかった
でも
無理して一瞬だけ
チラッと見た。
空虚な表情に見えた
あの哀愁が漂っていた
Tさん「ごめん」
私「えっ」
Tさん「……」
私「……」
Tさん「私は、……何ていうか……」
その先の言葉を私は知っている。
私「もう、いいです」
Tさん「ごめんな、付き合えない」
私「いいですってば」
やっぱり。私は泣いていた。
でも、涙を拭いて、
悲しくなりたくないから、
私は立ち上がって左手を差し出した。
私「…サンキュウ…です」
サンキュ。先輩! 先輩も頑張んな!
オリジナルはこちらをどうぞ。
やっぱりな
私はそう思いながら、Tさんに握手の手を差し出した。
その時の Tさんの手のしわが記憶に残った
私は、某商社のシステム部で働いている派遣社員の1年生。
同じ部署の先輩に、TさんとKさんがいる。
2人とも40歳くらい
いつもこのお2人に優しく面倒を見てもらってる私。
Kさんは女性
丁寧な言葉遣い 優しい物腰 明るい、みんなを元気にさせてくれるその声。
女の私にも、彼女の魅力はよくわかる。
男性Tさん
話しかけてくる人には誰でも優しく応対
でも
自分から話しかけることはほとんどしない。
ところが、K女史だけには なにかと明るく声を掛ける
不器用なひと。
私は
その意味をわかってるつもり。
付き合ったりしないのだろうか?
2人とも独身だと聞いている
枯れかけた花に水はやらないのだろうか
もう うんざりなのか
昼休み 思い切ってTさんを誘ってみた。
珈琲が美味しいと評判の喫茶店
木製の看板に彫ってある店の名前
Tさんが先に入る 扉を開けるとカランとベルが鳴る
ここは、Tさんお気に入りのお店
ここの珈琲飲んでみなよと、私に薦めてくれた。
いつもファーストフードか、チェーンの珈琲ショップでお昼をすます私。
注文し、出てきたランチを食べる
パスタおいしい
食べたあと
テーブルの上に残っているもの
Tさんはアメリカンをブラックで。
わたしはアイスカフェオレ。
もう子供じゃないんだから
私は、Tさんのことが好き。
歳は20も離れてるけれど、うらびれた感じ、背中の哀愁がたまらない。
私は告げた
私「つきあってもらえませんか?」
刹那 空気が固まる
指1本動かせない
私はTさんの顔を見られなかった
でも
無理して一瞬だけ
チラッと見た。
空虚な表情に見えた
あの哀愁が漂っていた
Tさん「ごめん」
私「えっ」
Tさん「……」
私「……」
Tさん「私は、……何ていうか……」
その先の言葉を私は知っている。
私「もう、いいです」
Tさん「ごめんな、付き合えない」
私「いいですってば」
やっぱり。私は泣いていた。
でも、涙を拭いて、
悲しくなりたくないから、
私は立ち上がって左手を差し出した。
私「…サンキュウ…です」
サンキュ。先輩! 先輩も頑張んな!
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