「退職して2年になりますが特に退屈することもありません、そ
れで何かしているかというとほぼ何もしてません、一日一時間の
散歩、30分の庭掃除、30分家の掃除、二日に1回の買物、食事
の準備(夕食担当)、そしてパソコン、月1回1歳の孫がくるとて
んやわんやの一日、現役の時の時間に追われた毎日を考えると天国、
お迎えがくるまで生きていることに感謝し、平凡な日常をゆっくり
続けながら生活する、自分にとってはとても満足した老後生活を送
ってます」
これは10年前新聞の投稿記事である、当時62歳の男性が定年退
職後2年経っての思いを綴ったものである、当時私自身定年退職し
て、解放感と喪失感が入り混じった中で生き方を模索したとき、目
に留まった記事である、あらためて読んでみると今の私の生活パタ
ーンとなぜか重なるところがある、まさに平凡な一日、満足はして
ないけど生きてることに感謝、私も同感である。
思う存分に働き会社人生を全うしたという満足感のある人がいる一方、
会社で生きづらさを抱え、仕事を生きがいと信じ込むことで感受性を
摩滅させてしまった人だっているのがサラリーマン人生である。
投稿記事のかたも私と同じように会社で生きづらさを抱えてたときが
あったのかもしれない、40年も勤めると色んな思いが胸を去来する
ものである、しかし10年たってみて私自身、人間や社会の濃やかな
景色が余裕をもって見れるようになったことが収穫だと思っている。