誰もが認知症になる可能性があり、誰もが認知症の人を介護す
る可能性がある、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)にな
る2025年には約700万人の人が認知症になると推計され
ている、これは65歳以上の人の5人に1人の割合である。
認知症になると自分がおかれている状況を理解する能力、いわ
ゆる見当識に障害がおこる、時間、場所、人の3つの要素、あ
なたは誰?ここはどこ?今はいつ?私はなぜこんなところにい
るのか?と不安でしょうがない、自分が置かれた状況を理解で
きないと不安になる。
佐藤眞一氏の著書「認知症になった人の心の中はどうなってい
るのか」によると認知症の人の心の中は明日がどうなるかわか
らない苦しみ、家に帰りたいのに帰れない苦しみ、さらに老い
て弱くなっていく情けない自分と必死に闘っている。
まさに2年前に亡くなった母が認知症で高齢者施設に入居した
ときがそうだった、ここは自分の居場所ではない、帰宅願望、
過去と未来がつながらない不安な状態で帰り際にいつも泣いて
たのが、2年経った今でも脳裏に焼きついている。