「当たり前だった日常が失われてしまった、友人にも会えず多
くの人が今の状態に苦痛を感じている、ただこれを一人で過ご
す貴重な時間ととらえ積極的にひきこもることを意識して欲し
い」
これは精神科医の斎藤環氏が2年前コロナ禍のなか、若者に向
けたコラムのなかの一節である、私はこの積極的にひきこもる
という言葉は若者に限らず、私たち高齢者にもいえることだと
思ったものだ。
それから2年コロナは終息していないが、自分の人生の流れに
コロナは不思議なほど影響していない、なんとなく毎日、ぼん
やりと家にいることが多くなった、誰かに会いたいとも思わな
い、心は静かで落ち着いていい状態だ、だから人間関係でのス
トレスはない、快適ではないものの、それなりに充実している。
自分で自分を楽しませる、特に齢を重ねるとひとりでいる時間
の楽しみかた、孤独とのつきあいかたを身につけておいたほう
がいい、閉塞感のある今の状況を受け入れ積極的にひきこもる、
そんな生活の中で一瞬でも一日でも、ああ楽しかったと思える
ことがあったら、それでいいと思っている。