「新人編集者時代、雲の上の存在だった作家五木寛之氏の連載
を獲得するため作品の感想を手紙にして送った、新作がでるた
び5日以内に手紙を出した」これは幻冬舎社長の見城徹氏71
歳、角川書店の編集者時代のエピソードである。
それから手紙を出して17通目で五木氏から返事、25通目で
念願叶って初対面すぐ連載が開始された、五木氏に「あそこま
で自分の作品を読み、ものをいってくれる手紙はなかった」と
絶賛された手紙、感想こそ人間関係の一歩、始まりはいつも手
紙という見城氏の熱意が報われた瞬間だった。
その後見城氏は独立した際、社名の幻冬舎の名付親になってく
れたのが五木氏だった、厳しい冬を生き抜いて成長せよとの気
持ちが込められた幻冬舎の命名の由来である、そして五木氏は
同社で「大河の一滴」を始めとする数多くのベストセラーを見
城氏に委ねた、義理、人情、恩返しを大切にする見城氏、だか
らこそつらいときの恩は忘れないという言葉は心に響くものが
ある。