拭いてすぐ曇る眼鏡や原爆忌 伊藤仙女
眼鏡を拭いても拭いてもまた曇る
暑さのせいではない
この日は全人類の懺悔の日なのだ
開けてなならないパンドラの箱の紐を引いてしまった日なのだ
正視できない光景が目前に広がっていた
愚かな人類を確認する日でもある
(小林たけし)
【原爆忌】 げんばくき
◇「原爆記念日」 ◇「広島忌」 ◇「長崎忌」
昭和20年8月6日に広島、9日長崎に原子爆弾が落とされた日。30万人の命が失われた未曾有の惨事を二度と繰り返すまいという祈りを込めて、この日広島と長崎では犠牲者への追悼の式典が行われる。「広島忌」「長崎忌」
例句 作者
原爆忌ぬかづきてみな無帽なる 宮下翠舟
雀来て原爆の日の水たまり 山本雅子
ごくごくと白湯飲む朝や原爆忌 美谷島寸未子
十一時二分わたしの祷り長崎忌 山崎芳子
原爆忌の睡り誘ふ夜風欲し 楠本憲吉
竹とんぼ遠くへ飛んで広島忌 北村菜々子
ひろしま忌一基の墓を母校とす 赤松蕙子
鎮魂の火の穂短かし広島忌 藤井艸眉子
ピカソノフクロウガヒロシマヲアルイタ 白石司子
朝焼がやけにヒロシマ焦がしている 白石司子
原爆忌ぬかづきてみな無帽なる 宮下翠舟
雀来て原爆の日の水たまり 山本雅子
ごくごくと白湯飲む朝や原爆忌 美谷島寸未子
十一時二分わたしの祷り長崎忌 山崎芳子
原爆忌の睡り誘ふ夜風欲し 楠本憲吉
竹とんぼ遠くへ飛んで広島忌 北村菜々子
ひろしま忌一基の墓を母校とす 赤松蕙子
鎮魂の火の穂短かし広島忌 藤井艸眉子
ピカソノフクロウガヒロシマヲアルイタ 白石司子
朝焼がやけにヒロシマ焦がしている 白石司子