竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

行く道のままに高きに登りけり 富安風生

2020-08-11 | 今日の季語


行く道のままに高きに登りけり 富安風生

季語の本意とは離れているが
実景ととるも良し心象ともとれる一句だ
道は志す道ととればその意味は深い
気づいてみれば己の立ち位置は思いのほか高い
驚きと同時に達成感も感じている作者が浮かぶ
(小林たけし)

【高きに登る】 たかきにのぼる
◇「登高」(とうこう)
重陽に茱萸(ぐみ)を詰めた赤い袋を下げて高い所に登り、菊酒を飲むと齢が延びるという中国の古い言い伝えがあり、これを「登高」という。現在では近くの山、丘陵にハイキングに行くことも表す。

例句 作者

登高の人影動く豊後富士 髙松勝々子
登高やみんな似てくる素老人 安西篤
登高や小石は崖を転げおち 大野朱香
一足の石の高きに登りけり 高浜虚子
登高のこころの鐘をつきにけり 鈴木五鈴
けふの日の高きに登り虚子思ふ 山口青邨
登高の二年二組にまた会へり 羽根嘉津
わが町の見ゆる高きに登りけり 塚月凡太
地酒醒め高きに登る女たち 赤尾兜子
亡びたる城の高きに登りけり 有馬朗人