
新涼の身にそふ灯影ありにけり 久保田万太郎
中七は万太郎ならではの表意
他になにも言っていないのが憎いところだ
新涼 季節がうつろう短い時間
万太郎は己の境涯の現身を客観視しているのだ
(小林たけし
【新涼】 しんりょう(・・リヤウ)
◇「秋涼し」 ◇「秋涼」(しゅうりょう) ◇「初涼」(しょりょう) ◇「涼新た」
秋に入ってから立つ涼気をいう。夏の暑さが去り、新鮮な初秋の涼しさである。暑さの中に一服の涼を求める「涼し」(季:夏)とは区別される。
例句 作者
人祈るかたちいろいろ涼新た 和田順子
仏像の事典みつけし涼新た 渡辺禎子
揺れているのは新涼の旅心 田中朋子
新涼にスープ待つ間の草ひばり 下村豊子
新涼の剃刀触るゝ頬たかく 西島麦南
新涼の森は胞衣なりドラム打つ 加茂踏青
新涼の水飲んでいる寺の猫 平本悦子
新涼の焼き立て工房メロンパン 西村辰子
新涼の舷をつ打つ夜の水 金山桜子
人祈るかたちいろいろ涼新た 和田順子
仏像の事典みつけし涼新た 渡辺禎子
揺れているのは新涼の旅心 田中朋子
新涼にスープ待つ間の草ひばり 下村豊子
新涼の剃刀触るゝ頬たかく 西島麦南
新涼の森は胞衣なりドラム打つ 加茂踏青
新涼の水飲んでいる寺の猫 平本悦子
新涼の焼き立て工房メロンパン 西村辰子
新涼の舷をつ打つ夜の水 金山桜子