
ひたすらに赤し颱風前の薔薇 桂信子
空はどす黒く風もなまぬく強くなってきている
庭の薔薇は咲いて間がない
その真紅の薔薇がふるえている
その見事な赤色がより赤くみえるのが不思議
作者はこんなところを詠んだのか
(小林たけし)
【颱風】 たいふう
◇「台風」
熱帯性低気圧の発達したもので、大きな空気の渦巻きである。南洋や南シナ海に発生し、北上して日本列島やアジア東部を襲う。夏から秋にかけて多く発生するが、台風が過ぎれば、あとは秋晴れの好天となる。
例句 作者
不夜城を見て颱風のいきいきす 佐野笑子
九州で台風なぜか右折する 平瀬元
人の眸の細く鋭し颱風後 桂信子
人生の台風圏に今入りし 高浜虚子
台風が逸れて肉屋に肉並ぶ 伴場とく子
台風が過ぎ去り魚に成り切った 堀節誉
台風すぐ沖にいて家並みの灯 服部修一
台風にゐて東京に出口なし 佐分靖子
台風に目ありピエロに泪あり
花谷清
不夜城を見て颱風のいきいきす 佐野笑子
九州で台風なぜか右折する 平瀬元
人の眸の細く鋭し颱風後 桂信子
人生の台風圏に今入りし 高浜虚子
台風が逸れて肉屋に肉並ぶ 伴場とく子
台風が過ぎ去り魚に成り切った 堀節誉
台風すぐ沖にいて家並みの灯 服部修一
台風にゐて東京に出口なし 佐分靖子
台風に目ありピエロに泪あり