地球温暖化による海水温上昇で が小型化している説が有る、というニュースが有りました。
引用開始(一部抜粋)
https://www.goo.ne.jp/green/column/natgeo-00008Ckw.html
温暖化で魚が小型化している、最新研究、反論も
2017年8月24日
ナショナル ジオグラフィック日本版
気候変動による海水温の上昇と海水に溶ける酸素の減少によって、マグロやハタから、サケ、オナガザメ、タラに至るまで、数百種の魚がこれまで考えられていた以上のペースで小型化している。8月21日付の科学誌「Global Change Biology」誌に掲載された論文でそんな結論が導き出された。
海水の温度が上昇すると、海の生きものの代謝が盛んになる。そのため、魚やイカをはじめ、生物は海水からより多くの酸素を取り込む必要が生じる。しかしその一方で、海水に溶ける酸素の量は水温が高くなるほど減る。この酸素の減少は、多くの海ですでに起きていることが指摘されている。
(中略)
論文の著者の一人で、同大学が日本財団などと共同で進めているネレウス・プログラムのカナダ側の責任者であるウィリアム・チャン氏は、「私たちが発見したのは、水温が1℃上昇すると、魚は20%から30%小さくなるということです」と話す。
こういった変化によって、海洋食物網が大きな影響を受け、食う者と食われる者の関係が予測できない形で変わる可能性もあるという。
論文の筆頭著者で、ブリティッシュ・コロンビア大学海洋漁業研究所の教授と「Sea Around Us」という団体の研究責任者を兼ねているダニエル・ポーリー氏は、「実験から、最初に影響を受けるのは体が大きな種であることがわかっています。呼吸に関していえば、小さな種の方が有利なのです」と話す。
「エラ酸素制約理論」
ただし、ポーリー氏とチャン氏の発見を称賛する研究者も多いが、全員が認めているわけではない。
ポーリー氏の名は、一部で議論を呼ぶことになった乱獲についての世界規模での研究でよく知られている。そして、1970年代に論文を発表して以来、魚の大きさはエラの成長能力によって制約を受けるという理論を研究し、展開してきた。ポーリー氏とチャン氏らは、この「エラ酸素制約理論(Gill-Oxygen Limitation Theory)」に基づき、ある研究結果を2013年に発表した。2050年には、気候変動によって約600 種類の海水魚の平均体重が14%から24%軽くなるというものだ。
「空気を呼吸している私たちには考えづらいことです」とポーリー氏は話す。「私たちにとって、問題は酸素ではなく食料を十分得られるかです。しかし、魚の状況はまったく異なります。人間で例えるなら、ストローを使って呼吸しようとするようなものなのです」
酸素の減少と魚の小型化を関連付けて考える研究者は他にもいる。たとえば北海では、酸素が減った海域のタラやニシン、ヒラメなどがすでにかなり小型化している。
引用終了
難しい問題ですが、これにどう筆者が取り組むか、と言う事になるのですが、現状の解析結果では次の様なロジックとなっています。
確かに水槽などで海水魚を飼って水温を上昇させればそうした事象はわずかながら発生するのかも知れません。
しかし自然界の海洋で魚類は移動自由なのです。
なので海水温が上昇すればそれら魚類はより高緯度に移動するので別にその海域のへばりついて小型化する必要などない。
考えてみれば暖水系の魚類が小型なのか?と言うと、そうでは有りません。
海水温が高ければ魚類が小型、と言うのであれば暖水系の魚類は全て小型なはずなのです。
しかし実際にはそうでは有りません。
「酸素の減少と魚の小型化を関連付けて考える研究者は他にもいる。たとえば北海では、酸素が減った海域のタラやニシン、ヒラメなどがすでにかなり小型化している。」と言う部分に関しては、筆者はこう考えています。
「タラやニシン、ヒラメなどが住む従来の海域が海水温上昇によりその生息域の中心海域がより高緯度のシフトした。そして従来の生息域だったエリアは生息可能域の限界域に近い境界域となり、海水温が上昇したり下降したりする為、その魚種の大型のものが住み着きにくい傾向になった」。
これは暖水系の魚種でも「生息域のエリアが移動して高緯度になるつつある魚種は生息可能域の限界域に近い境界域なので、海水温が上昇したり下降したりする為、その魚種の大型のものが住み着きにくい傾向になっている」。
そして「魚が小型化している」と言うが本当に現実なのかどうかはわからず、「漁獲物として利用しているからこそ有る程度のまとまったデータとなるわけで、利用できない魚類などは例え大型化していてもそれは多数漁獲されず正確な傾向はわからない」と言うものです。
そして仮に「魚が小型化している」としても、その要因は決して一つでは無く、複数の要素の合算であろう事は地震の発生と同様かと考えています。
はっきり言いますと、「魚が小型化している」と言うのは、食用として利用されている魚種についての話が主であり、それが昨今の世界的魚食志向で漁獲される量が増え、有る程度の漁獲により小型化しているという要素も決してゼロではない、と考えています。
そして世界の実際の現状がMSY(最大維持可能漁獲量)、MEY(最大純経済生産量)などのどの水準なのか、と言うのが実は実際の問題と思われます。
引用開始(一部抜粋)
https://www.goo.ne.jp/green/column/natgeo-00008Ckw.html
温暖化で魚が小型化している、最新研究、反論も
2017年8月24日
ナショナル ジオグラフィック日本版
気候変動による海水温の上昇と海水に溶ける酸素の減少によって、マグロやハタから、サケ、オナガザメ、タラに至るまで、数百種の魚がこれまで考えられていた以上のペースで小型化している。8月21日付の科学誌「Global Change Biology」誌に掲載された論文でそんな結論が導き出された。
海水の温度が上昇すると、海の生きものの代謝が盛んになる。そのため、魚やイカをはじめ、生物は海水からより多くの酸素を取り込む必要が生じる。しかしその一方で、海水に溶ける酸素の量は水温が高くなるほど減る。この酸素の減少は、多くの海ですでに起きていることが指摘されている。
(中略)
論文の著者の一人で、同大学が日本財団などと共同で進めているネレウス・プログラムのカナダ側の責任者であるウィリアム・チャン氏は、「私たちが発見したのは、水温が1℃上昇すると、魚は20%から30%小さくなるということです」と話す。
こういった変化によって、海洋食物網が大きな影響を受け、食う者と食われる者の関係が予測できない形で変わる可能性もあるという。
論文の筆頭著者で、ブリティッシュ・コロンビア大学海洋漁業研究所の教授と「Sea Around Us」という団体の研究責任者を兼ねているダニエル・ポーリー氏は、「実験から、最初に影響を受けるのは体が大きな種であることがわかっています。呼吸に関していえば、小さな種の方が有利なのです」と話す。
「エラ酸素制約理論」
ただし、ポーリー氏とチャン氏の発見を称賛する研究者も多いが、全員が認めているわけではない。
ポーリー氏の名は、一部で議論を呼ぶことになった乱獲についての世界規模での研究でよく知られている。そして、1970年代に論文を発表して以来、魚の大きさはエラの成長能力によって制約を受けるという理論を研究し、展開してきた。ポーリー氏とチャン氏らは、この「エラ酸素制約理論(Gill-Oxygen Limitation Theory)」に基づき、ある研究結果を2013年に発表した。2050年には、気候変動によって約600 種類の海水魚の平均体重が14%から24%軽くなるというものだ。
「空気を呼吸している私たちには考えづらいことです」とポーリー氏は話す。「私たちにとって、問題は酸素ではなく食料を十分得られるかです。しかし、魚の状況はまったく異なります。人間で例えるなら、ストローを使って呼吸しようとするようなものなのです」
酸素の減少と魚の小型化を関連付けて考える研究者は他にもいる。たとえば北海では、酸素が減った海域のタラやニシン、ヒラメなどがすでにかなり小型化している。
引用終了
難しい問題ですが、これにどう筆者が取り組むか、と言う事になるのですが、現状の解析結果では次の様なロジックとなっています。
確かに水槽などで海水魚を飼って水温を上昇させればそうした事象はわずかながら発生するのかも知れません。
しかし自然界の海洋で魚類は移動自由なのです。
なので海水温が上昇すればそれら魚類はより高緯度に移動するので別にその海域のへばりついて小型化する必要などない。
考えてみれば暖水系の魚類が小型なのか?と言うと、そうでは有りません。
海水温が高ければ魚類が小型、と言うのであれば暖水系の魚類は全て小型なはずなのです。
しかし実際にはそうでは有りません。
「酸素の減少と魚の小型化を関連付けて考える研究者は他にもいる。たとえば北海では、酸素が減った海域のタラやニシン、ヒラメなどがすでにかなり小型化している。」と言う部分に関しては、筆者はこう考えています。
「タラやニシン、ヒラメなどが住む従来の海域が海水温上昇によりその生息域の中心海域がより高緯度のシフトした。そして従来の生息域だったエリアは生息可能域の限界域に近い境界域となり、海水温が上昇したり下降したりする為、その魚種の大型のものが住み着きにくい傾向になった」。
これは暖水系の魚種でも「生息域のエリアが移動して高緯度になるつつある魚種は生息可能域の限界域に近い境界域なので、海水温が上昇したり下降したりする為、その魚種の大型のものが住み着きにくい傾向になっている」。
そして「魚が小型化している」と言うが本当に現実なのかどうかはわからず、「漁獲物として利用しているからこそ有る程度のまとまったデータとなるわけで、利用できない魚類などは例え大型化していてもそれは多数漁獲されず正確な傾向はわからない」と言うものです。
そして仮に「魚が小型化している」としても、その要因は決して一つでは無く、複数の要素の合算であろう事は地震の発生と同様かと考えています。
はっきり言いますと、「魚が小型化している」と言うのは、食用として利用されている魚種についての話が主であり、それが昨今の世界的魚食志向で漁獲される量が増え、有る程度の漁獲により小型化しているという要素も決してゼロではない、と考えています。
そして世界の実際の現状がMSY(最大維持可能漁獲量)、MEY(最大純経済生産量)などのどの水準なのか、と言うのが実は実際の問題と思われます。