務安国際空港旅客機事故では、衝突直前4分間のブラックボックス、つまりコックピット・ボイスレコーダー(CVR)とフライトデータレコーダー(FDR)のデータが確認できないとの事で何故そうなったのか?については未だわかっていないようです。
今年1月13日の当ブログ記事、サブタイトル「空白の4分間となってしまった務安国際空港旅客機事故直前の時間」を再考してみたのですが、仮に全ての電源がダウンしていたとしたら、あんなゴーアラウンドなんてできないはずなので、つまりコックピット・ボイスレコーダー(CVR)とフライトデータレコーダー(FDR)の電源が落ちていた可能性が普通に考えられるかと思います。
電源ではなくその他の機械部分や電子回路部分などであればCVRとFDRのデータが同時に採れなくなる事は有り得ないからです。
では何故、これらの電源が落ちていたのか?
一つはパイロットがこの系統の電源を落とす操作をしていたから、なのかどうか、ですが、これはわかりません。
他の操作をしようとして慌ててその電源スイッチかブレーカに触れてしまったケース、パイロットが何かの落ち度を隠そうとして意図的に電源を落とそうとしたケースなど様々な事が可能性としてゼロではないのかも知れません。
ただ起こり得た他の可能性として、この負荷と同じ系統で他に負荷が有ってそれが短絡、或いは地絡(と言っても航空機なのでボディーアース)したために保護ブレーカがトリップした、と言う可能性がどうも有るのではないか?とも個人的には思えて来たので今回記事にしました。
今月4日の記事、サブタイトル 「航空機とバードストライク 起こり得る事象の組み合わせと順列やタイムラグ」の中にある通り、「事故当日の午前8時58分50秒に、事故機から高度や飛行情報などの最後のデータが送られてきてその後は送られて来ていない」との情報がネット上で確認できる事から、衝突事故の起きる4分前と、この時刻が一致しているかほぼ一致しています。
と言う事は「飛行機の運航情報を発する無線用のアンテナにバードストライクで損傷が発生し、このアンテナシステムの電源系統に短絡などの異常が生じてブレーカーか或いはそうでなければ他の保護装置が作動して電源断となった、そしてこの保護装置には負荷としてこのアンテナ以外にもコックピット・ボイスレコーダー(CVR)とフライトデータレコーダー(FDR)がもし有ったのであればの話ですが、この時刻以降、CVRとFDRのデータが採れなくなった」と言うケースが考えられるのではないでしょうか。
この検証はもしかして簡単かと思えます。
このアンテナ(ブースター装置も含む)の電源について保護装置から更にまた分岐ブレーカーなど無しにCVRとFDRに電源供給されているのかどうか、更にCVRとFDRのデータが無くなった時刻が秒単位、つまり「事故当日の午前8時58分50秒」にピタリと一致しているのかどうか、です。
厳密には後者の要素については負荷の性質や残留電荷や電流の迷走など電気的に僅かなタイムラグを持つ事ももしかして有るかも知れませんが、実際にどうなのでしょう。
少なくとも言えるのは、このタイミングについて秒単位で同じだったのかどうか、保護装置の下にどのような負荷が有ったのかについては簡単にわかるはずと言う事です。
今後の情報開示は果たしたどうなるでしょう。