快気分析

何か快適な気分になれるような記事にしたいです。

仕組みとアプローチ -   日本での破局噴火を考える 続編1

2019-01-21 20:08:42 | 地震 津波
 前回の記事で引用したデータの中で、「破壊力 = それと同じ噴火がいま突発的に起こったら失われるだろう人命の数」と言う観点が有りますが、巨大噴火の場合は前兆がどちらかと言えば把握できるケースが地震に比べれば多いようです。
 ただ前兆が有る事が多いとは言っても100%とは限らないと思われます。
 日本に限らずこれまで巨大噴火が発生した時の前兆がどうだったのか?と言うのは調べ切れていません。
 果たしてどのような状況だったのでしょうか。
 
 補足
 前回の記事で誤植が有りました。
 「規模や階数の絞込みの面で」は「規模や回数の絞込みの面で」に訂正です。

仕組みとアプローチ -   日本での破局噴火を考える

2019-01-20 21:46:43 | 地震 津波
 世界的には火山噴火が活発で最近も口永良部島での噴火が有りました。
 それでも東日本大震災と言う巨大地震が発生した後と言う割には巨大噴火と言えるものは国内で発生していません。
 では過去に日本国内で破局的噴火がいつごろ有ったのか? と言うので調べてみました。
 どのレベルを破局噴火と見なすかでデータも変って来るのですが、規模や階数の絞込みの面で把握しやすい資料が有りました。

引用開始 2件(一部抜粋)

http://www.hayakawayukio.jp/bosai/hakyoku/hakyoku.htm

現代都市を脅かすカルデラ破局噴火のリスク評価

早川由紀夫(群馬大学教育学部)

(中略)

2.カルデラ破局噴火の発生頻度

カルデラ破局噴火をM6.5(噴出量300億トン)以上の噴火と仮に定義して,過去にさかのぼって数えてみよう.日本では,過去12万年間にそのような噴火が18回起こった(表1). 2万8000年前の姶良丹沢噴火,4万1000年前の支笏1噴火などである.九州と北海道に多いが,本州でも十和田湖(青森・秋田),御岳山(長野・岐阜),大山(鳥取),三瓶山(島根)で発生している.ただし,大山倉吉噴火(M6.9),姶良福山噴火(M6.5),御岳1噴火(M6.6),三瓶木次噴火(M6.7)についてはプリニー式降下軽石が認められているだけで,大規模火砕流の噴出とそれに伴うカルデラ形成はまだ確認されていない


http://www.hayakawayukio.jp/bosai/hakyoku/t1.LateQuatM65.htm

表1 第四紀後期日本におけるM6.5以上の噴火(カルデラ破局噴火)
年代 噴火 M 破壊力 危険度 壊滅的打撃を受けた道県
7,300 鬼界アカホヤ 8.1 20万 27 鹿児島県
15,000 十和田八戸 6.7 200万 133 青森県・秋田県・岩手県
28,000 姶良丹沢 8.3 300万 107 鹿児島県・宮崎県・熊本県
30,000 十和田大不動 6.7 200万 (十和田八戸に同じ)
40,000 屈斜路1 7 10万 3 北海道
41,000 支笏1 7.2 200万 49 北海道
50,000 大山倉吉 6.9 20万 4 鳥取県
53,000 銭亀女那川 6.6 40万 8 北海道
60,000 支笏7-10 6.6 50万 (支笏1に同じ)
87,000 阿蘇4 8.4 1100万 126 鹿児島県を除く九州全県・山口県
90,000 姶良福山 6.5 70万 (姶良丹沢に同じ)
95,000 鬼界葛原 7.5 20万 (鬼界アカホヤに同じ)
99,000 御岳1 6.6 10万 1 長野県・岐阜県
103,000 三瓶木次 6.7 10万 1 島根県
103,000 阿多 7 300万 29 鹿児島県・宮崎県・熊本県
105,000 洞爺 7.4 200万 19 北海道
115,000 阿蘇3 7 900万 (阿蘇4に同じ)
117,000 屈斜路4 7.4 10万 (屈斜路1に同じ)

 M(マグニチュード) = 噴出量の常用対数
 破壊力 = それと同じ噴火がいま突発的に起こったら失われるだろう人命の数
 危険度 = 破壊力/年代

引用終了

 「日本では,過去12万年間にそのような噴火が18回起こった」からと言ってそれがタイマーのように約6667年(小数点以下四捨五入)の等間隔で発生したのではなく、後者の引用資料に有る通り、たった1000年程度しか離れていないもの、それに準じるものでも2000年、3000年、5000年とかの間隔しかないものも有ります。
 直近の破局噴火は7300年前の鬼界アカホヤ噴火ですからどう見ても既に1000年~5000年とかは超えているわけで、「発生年のバラツキ」から考えると「いつ破局噴火が発生してもおかしくない」と言う事になるかと思います。
 ただ引用した資料で一つだけ確実に言える事は、「東か北日本と西か南日本で同時に破局噴火が発生した事は無い」ので、国内の破局噴火に対応する為のデータシステムや生存、産業に必用な施設などのバックアップは東か北端にやや近いエリアと西か南端に近いエリアにしておけば(過去のパターンが繰り返されるならばですが)どちらかは存続できる、と言う事かと考えています。

 

仕組みとアプローチ -   地震を認識できなくても津波が発生した過去の事例 海底地下温度低下も地滑りなどの一要因となる可能性

2019-01-19 09:00:31 | 地震 津波
 海底地滑りと津波に関する最近のニュースです。

引用開始(一部抜粋)

https://www.topics.or.jp/articles/-/150030

地震発生せず津波の可能性 徳島・海陽沖に海底地滑り跡 徳島大大学院調査
1/16 11:30

 海陽町沖に、地震が発生せず津波を引き起こした可能性のある海底地滑りの大規模な痕跡があることが、徳島大大学院の馬場俊孝教授(津波防災学)の調査で分かった。馬場教授によると、痕跡は南海トラフ沿いに無数にあるが、大陸に近い地点で大規模なものが見つかるのは珍しい。県内にも「前兆なき津波」のリスクがあることを示している。
 痕跡があるのは海陽町の南東約20キロ沖合の水深600~800メートル地点。幅6キロの斜面の4カ所で200~300メートル崩落している。いずれも発生時期は分かっていない。原因も不明だが、周辺が揺れて崩れた可能性が高いという。

引用終了

 こうしたケースだけでなく、人には地震と確認できないような程度の地震、特に沖合い海底地下の地震などで津波だけが到来したケースと言うのを以前から資料で見かけており記事にしようと思ってはいました。
 過去に発生したと見られる事例の一部は次の通りです。

引用開始(一部抜粋)


http://www.nagai-bunko.com/shuushien/tenpen/ihen04.htm

1777(安永 6)年

(中略)

  9月10日 安房・相模・伊豆で海が溢れ、民家破損多数。溺死者多数。(十三朝記聞 6)

(中略)

  6月    肥後で大津波。船舶家屋多数破損。(続日本王代一覧 9)(十三朝記聞 6)(泰平)

(中略)

1816(文化13)年
 11月 2日 伊豆松崎津波。民家漂失多数、死者多数。(泰平年表)(文恭公実録上)
    この年、伊豆で嶺水湧出。(十三朝記聞 6)

引用終了

 前回記事にした薩摩半島西方沖の地震が1777年に発生した肥後での大津波要因に該当したと仮定すれば、やはり海底の断層活動自体、或いは地震や断層活動が影響した事になります。
 地震が認識できない程度でも津波が発生する他のカースとしては、海底の地下水脈が温度膨張などによって海底地質の滑りやすさが発生し、海底での地滑りや崖崩れ、土砂崩れ、津波となる可能性はゼロではないと考えています。
 更にこれら以外にも海底地滑りなどが発生する要因は未だ有るのではないかと思えますが、それは次の通りです。
 「海底での火山活動による海底隆起などの地殻変動、海底噴火の衝撃、そして仮に海底地下水脈の温度が上昇していなくても、海底地下地盤の温度が下降した場合には海底地下で地殻のまとまりが収縮する事となり相対的に海底地下水の温度が上昇したのと同じ状況になって、地盤、地殻のまとまりや地層の境界部が滑りやすくなる」、と言うケースですがこれも(個人的にと言う程度ではありますが)、想定はできると考えています。
 これらの事が発生する可能性が有る場所や条件は国内だけでも少なくないのかも知れませんが、全体を正確に把握するのはかなり困難ではないかと思われます。

仕組みとアプローチ -   先日の薩摩半島沖 Mj4.1の地震をどう見るか

2019-01-18 07:52:30 | 地震 津波
 先日は薩摩半島のほぼ真南沖でMj4.1の地震発生が発生しました。
                        Mj 最大震度
2019年1月17日 16時59分ごろ 薩摩半島西方沖 4.1 1

 震源の深さ 160km
 緯度/経度 北緯31.2度/東経130.4度

 名前は薩摩半島西方沖となっていますが、位置からすると薩摩半島のほぼ真南沖です。
 震源の深さは160kmと言う事でやや所です。
 以前に何度か記事にしましたが、このあたりや薩摩半島直下あたりでやや深い震源のやや目立つ地震がやや目立つが発生すると数日、或いはもう少し経てから後であの2015年14日に発生した薩摩半島西方沖地震やその周辺エリアでやや目立つ横ずれ断層方地震が発生する傾向が有ります。
 有感地震の一例だけ見ても、
                        Mj 最大震度
2017年10月28日 23時50分ごろ 薩摩半島西方沖 4.1 1
2017年10月22日 23時24分ごろ 薩摩半島西方沖 3.5 2
2017年10月15日 8時34分ごろ 薩摩半島西方沖 4.6 2

 今回のはこの時の、ものに比べてやや小規模です。
 ただ同じパターンが再現されるとすれば数日以降、そう間をおかずやや目立つ地震か或いは中小地震の多発が有る可能性はゼロではないと考えています。
 同じパターンで発生した当エリアの最近の地震では沖合いの横ずれ断層地震でもあり災害に結びつくものは無かったようです。

仕組みとアプローチ -   口永良部島で爆発的噴火発生

2019-01-17 18:37:29 | 地震 津波
 今日は口永良部島で爆発的噴火が発生しました。

引用開始(一部抜粋)

https://www.jma.go.jp/jp/volcano/info_05_20190117083048.html

火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第9号
平成31年 1月17日17時30分 福岡管区気象台 鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、本日(17日)09時19分に火砕流を伴う噴火が発生しました。今後も同規模の噴火が発生する可能性がありますので、新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では、本日(17日)09時19分に火砕流を伴う噴火が発生しました。気象衛星の観測によると、噴煙は、新岳火口縁上約6000mまで上昇しました。また、本村東観測点で201Paの空振を観測しました。その後、噴火は15時27分頃まで継続し、現在は停止しています。火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第9号
平成31年 1月17日17時30分 福岡管区気象台 鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、本日(17日)09時19分に火砕流を伴う噴火が発生しました。今後も同規模の噴火が発生する可能性がありますので、新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では、本日(17日)09時19分に火砕流を伴う噴火が発生しました。気象衛星の観測によると、噴煙は、新岳火口縁上約6000mまで上昇しました。また、本村東観測点で201Paの空振を観測しました。その後、噴火は15時27分頃まで継続し、現在は停止しています。

引用終了

 今月8日の記事、サブタイトル「種子島近海でMj6.4の地震発生 今回も口永良部島で噴火した後でした」の中で、「2015年の時に比べて地震の規模は大きめのものが連続していますが火山噴火については2015年の時に比べてまだ規模は小さいようです。今後の地震と火山の活動はどうなるでしょうか。」と書きましたが、やはり有る程度大きな噴火となりました。
 フィリピン海プレートが押す勢いは強いように見えます。
 そして以前から記事で書いている、あのエリアのMw7以上の地震空白期間はまだ継続中で遂に2年9ヶ月を過ぎました。
 先日のバヌアツで発生したMw6.6の地震、そして今月21日の大きな満月と既に突入しているその前後期間と言う複数の条件下で、今回は地震の代わりに目立つ火山噴火となったのが口永良部島で噴火なのか、そして更にこれで済むのか? それとも別にどこかで目立つ地震や火山噴火がこの期間内に発生するのかどうか?
 当分はこれらの観点を中心に注目して行こうかと思っています。