世界的には火山噴火が活発で最近も口永良部島での噴火が有りました。
それでも東日本大震災と言う巨大地震が発生した後と言う割には巨大噴火と言えるものは国内で発生していません。
では過去に日本国内で破局的噴火がいつごろ有ったのか? と言うので調べてみました。
どのレベルを破局噴火と見なすかでデータも変って来るのですが、規模や階数の絞込みの面で把握しやすい資料が有りました。
引用開始 2件(一部抜粋)
http://www.hayakawayukio.jp/bosai/hakyoku/hakyoku.htm
現代都市を脅かすカルデラ破局噴火のリスク評価
早川由紀夫(群馬大学教育学部)
(中略)
2.カルデラ破局噴火の発生頻度
カルデラ破局噴火をM6.5(噴出量300億トン)以上の噴火と仮に定義して,過去にさかのぼって数えてみよう.日本では,過去12万年間にそのような噴火が18回起こった(表1). 2万8000年前の姶良丹沢噴火,4万1000年前の支笏1噴火などである.九州と北海道に多いが,本州でも十和田湖(青森・秋田),御岳山(長野・岐阜),大山(鳥取),三瓶山(島根)で発生している.ただし,大山倉吉噴火(M6.9),姶良福山噴火(M6.5),御岳1噴火(M6.6),三瓶木次噴火(M6.7)についてはプリニー式降下軽石が認められているだけで,大規模火砕流の噴出とそれに伴うカルデラ形成はまだ確認されていない
http://www.hayakawayukio.jp/bosai/hakyoku/t1.LateQuatM65.htm
表1 第四紀後期日本におけるM6.5以上の噴火(カルデラ破局噴火)
年代 噴火 M 破壊力 危険度 壊滅的打撃を受けた道県
7,300 鬼界アカホヤ 8.1 20万 27 鹿児島県
15,000 十和田八戸 6.7 200万 133 青森県・秋田県・岩手県
28,000 姶良丹沢 8.3 300万 107 鹿児島県・宮崎県・熊本県
30,000 十和田大不動 6.7 200万 (十和田八戸に同じ)
40,000 屈斜路1 7 10万 3 北海道
41,000 支笏1 7.2 200万 49 北海道
50,000 大山倉吉 6.9 20万 4 鳥取県
53,000 銭亀女那川 6.6 40万 8 北海道
60,000 支笏7-10 6.6 50万 (支笏1に同じ)
87,000 阿蘇4 8.4 1100万 126 鹿児島県を除く九州全県・山口県
90,000 姶良福山 6.5 70万 (姶良丹沢に同じ)
95,000 鬼界葛原 7.5 20万 (鬼界アカホヤに同じ)
99,000 御岳1 6.6 10万 1 長野県・岐阜県
103,000 三瓶木次 6.7 10万 1 島根県
103,000 阿多 7 300万 29 鹿児島県・宮崎県・熊本県
105,000 洞爺 7.4 200万 19 北海道
115,000 阿蘇3 7 900万 (阿蘇4に同じ)
117,000 屈斜路4 7.4 10万 (屈斜路1に同じ)
M(マグニチュード) = 噴出量の常用対数
破壊力 = それと同じ噴火がいま突発的に起こったら失われるだろう人命の数
危険度 = 破壊力/年代
引用終了
「日本では,過去12万年間にそのような噴火が18回起こった」からと言ってそれがタイマーのように約6667年(小数点以下四捨五入)の等間隔で発生したのではなく、後者の引用資料に有る通り、たった1000年程度しか離れていないもの、それに準じるものでも2000年、3000年、5000年とかの間隔しかないものも有ります。
直近の破局噴火は7300年前の鬼界アカホヤ噴火ですからどう見ても既に1000年~5000年とかは超えているわけで、「発生年のバラツキ」から考えると「いつ破局噴火が発生してもおかしくない」と言う事になるかと思います。
ただ引用した資料で一つだけ確実に言える事は、「東か北日本と西か南日本で同時に破局噴火が発生した事は無い」ので、国内の破局噴火に対応する為のデータシステムや生存、産業に必用な施設などのバックアップは東か北端にやや近いエリアと西か南端に近いエリアにしておけば(過去のパターンが繰り返されるならばですが)どちらかは存続できる、と言う事かと考えています。