武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

しあわせ食堂の料理を作り終えて 1

2009-11-23 10:12:35 | Weblog

赤飯の絵。この時は圧力鍋で赤飯を炊いた。いつも売っているパックや法事の時に見る赤飯が、毒蝮三太夫さんの話ぶりから「めでてえ」ものに変わり、昭和の頃は誕生日を祝ったりする時に家でよく炊かれていたのだと判り、赤色はめでたい色として、ほんのり赤の色づく米に喜びをたくしていた古代からの風習が息づいているのを知った。話の中で、コーリャンを食べながら、うまそうに赤飯を食べる演技をした毒蝮三太夫さんの知恵は、武士は喰わねど高楊枝の精神に似ている。

夫の武内ヒロク二が毎日新聞社より、この仕事を受けて147回の料理、食べ物のセットを作って思うことがたくさんある。記事の話を伺ってから作ったものや、著名な方の名前と食べ物だけを伺ってぶっつけ本番でイメージして描いていったもの、その時、その時で、その時でしか出来ない絵が横で出来上がっていた。わたしは、ヒロク二さんより常識で頭が縛られているので、理解の範疇を超えすぎている絵には、ドギマギとして、「この絵を送るのぉー。やめて。」と涙をだらだら流してしまった絵もある。なんと言っても、絵を見る一番初めの人なのである。阻止しようと思えばできる位置にいた。しかし、人は恥もかかずして生きることは出来ないと思い、途中より「恥をかくなら恥をかき、失敗するなら失敗し、抜群の絵が出来ればそれで良し」と受け止めることが出来るようになり、少し心が広くなった。わたしにとっても試練の「しあわせ食堂」だったことが判り、すこしは人間が成長したかしら?と思っています。

それが、この度、50選でまとめられることになり、本になった。嬉しいことである。たくさんの方が関わり出来た本である。この「しあわせ食堂」は、いろんな偶然が重なり生まれた本なのです。わたし自身は、絵と文を繰り返し読む内に、自分の中にあるマイナスの心が少し減り、貧乏は恥ずかしいと思っていたが、心が貧しいのが一番恥ずかしいことだなと痛感したのです。衣食住がそろっていたら、不満をいってはいけないと思っています。そう思うと、日々感謝なり、悩みは相変わらずあるけれど、しあわせ感が湧いてきます。

しあわせ食堂
武内 ヒロクニ,毎日新聞夕刊編集部
光人社

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どうも、本屋さんでは見かける率が少ないので、ここにてご紹介致します。
コメント
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