こちらは、武内ヒロクニの個展にて、展示中。
一番、新しいもの。
クレヨンと鉛筆で描かれています。
4日の日に、ドローイングの作品を搬入にいきました。
展示の作業は、ギャラリーのスタッフを中心に補佐の役をしてきました。
↑すっかりお任せしています。
↑絵の感じをみながら、バランスを見て展示をして下さっています。
以前は、大体作品を一列に並べることが多かったと記憶していますが、
最近は、2段、3段とランダムに並べることが多くなり、
展示の仕方も随分変わったと感じます。
↑こちらのドローイングの作品もランダムに。仮止めの段階です。
ドローイングといっていますが、私は家ではメモと言っていました。
台所に貼られているもの、それも1箇所か、2箇所を画鋲で軽く止められていて、
ペラ―ンと貼られていて、紙が浮き上がったりしているものを毎日見ています。
それが、画廊の壁に貼られていくと、ただの紙切れが、作品として鑑賞しやすくなるので、
改めて絵を見ることになり、ギャラリーという場所の空間の必要性を感じた次第です。
↑ドローイングの作品群の左側の部分になります。
やや左中央の「人の顔と黒のふちにピンク色」で描かれた作品は、
以前のブログにて、顔のようなものとピンクの池の間にある鉛筆で描かれた部分の所を、
「この感じが何ともいい感じでたまりません。」と書いたと思うのですが、
長年、武内の絵をコレクションして下さっているが、この絵を選ばれて、
「あの部分がええのや。」と、おっしゃり、私と同じ感覚を話されたので、
「同じなんです。やっぱりそうですか?」
「私も絵を見る力が少し肥えたかしら?」と、言い、
何度も「私も、同じこと思っているのです。」と、相槌を求めました。
そこから、そのコレクターの方は、問答に入って、
「この絵には、悟りに近いものがある。近いということだけど。」と言われる。
えっ?と思い、近頃の武内の言動で、?????と思った言葉を思いだした。
「何かに導かれて、やっているだけ。身をゆだねている。」と言いながら、アトリエへ行ったことがある。
?????と、不思議な感じで聞いていました。
このドローイングの類には、そんな武内の胸中もありそうです。
描いた当人は、肩凝って、疲れ果てている毎日で、時々、すごく寝ます。
このコレクターの方とは、いつも問答のようになり、今回は、
「人は死を恐れたらあかん。」と言われ、
「死を恐れるのは、悟りというか、人としての精神性から遠ざかっていく。」とも言われた。
すると、浮かんできた情景が・・・・。
武内が手術室に行く時、廊下で、大声で「殺さないでくれ~~!!」と叫び、
看護婦さんに「俺の手を握っていてくれないか!」と懇願していた姿がありありと浮かんだ。
もう、廊下に響き渡った声と、ガタガタと音を立てながら動いているベッドと廊下の幅まで浮かぶ。
私は、夢を見ているのか?と思うほどの、声の大きさに驚いていた。
この情景が、脳裏を駆け巡り、
「先生、武内は死を恐れていると思うけど・・・・。」と言う。
「そう?それならまだまだ生きると思うよ。」と締めくくられた。
まだ、病院での話は、続きがあって、
その手を握って下さっていた看護婦さんは、手術後、私のところへ来て、
「こんな患者さんは、初めて・・・・。私、手をずっと握り締めていました。
こんな経験初めてでした。こんなに頼りにされるって、看護婦としてやりがいを感じました。」と。
少し興奮ぎみに話されていて、なんとなく顔も紅潮していた。
「ありがとうございます。そう言って頂けたら私も肩の荷がおります。
ありがとうございます。助かりました。」と、何度もお礼を言った。
私は迷惑していないか、どうかが気になっていたので、心からホッとしました。
本当は、私が主人に優しくならないといけないのでしょうね。
しかし、病院に入院すると、我儘の限りを尽くすので、優しくするゆとりないのです。
見張るだけで、精一杯でした。
主治医から、頼まれていたりするからねぇ~。
「奥さん。見張ってて下さい。。
奥さん。食べ物を取り上げておいて下さい。
奥さん。(思い出したように)お金も取り上げておいて・・・、勝手に買い食いされたら困るから。」と、
言われていたりして・・ます。
いつも、ナースステーションの横の部屋にしか、案内されない武内なんです。
いつも、同じ部屋になるのです。(問題児の指定席なんですって・・・)
話が脱線しました。
死の話から、入院中の武内の話になってしまいました。
私にとっては、強烈な思い出なのです。
あと見て懐かしい作品もありました。
↑ギャラリー島田で所蔵されてる作品です。
細かい色鉛筆画を描かれた頃と同時代。1995年作ぐらいの作品。
↑こちらもギャラリー島田所蔵の作品。
道路沿いの海、そして街の絵です。
鉛筆のみで描かれた絵ですが、この作品は1999年ぐらいのものでは?
芯が硬くて薄いトーンの鉛筆を駆使して描かれています。
6Bは部分で使用している作品です。
久しぶりに鑑賞出来て、こちらも懐かしい。
緊急事態宣言の中の個展なので、やはり来客は少ない。
ギャラリー島田での、ネット・ミュージアムは、9日(火)になると聞きました。
どんな風なのか分からないので、私も楽しみにしています。
会場:B1F un
会期:2021年2月6日(土)-2月17日(水)
11:00-18:00 ※最終日は16:00まで
ギャラリー島田のHP→http://gallery-shimada.com/
住所:神戸市中央区山本通2-4-24リランズゲートB1F・1F
TEL&FAX 078-262-8058
メールアドレス:info@gallery-shimada.com
以上ですが、よろしくお願い致します。