武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

ハート(作品紹介604)と 愛もしくは、イデアのことから

2021-05-12 18:16:58 | Weblog

この絵がアトリエにしている部屋の入り口からよく見えます。

遠目でみていると「ピンクのハート」が描かれているように見えた。

ピンクの部分にバラバラとした黒い線。

この雰囲気がイイと思う。

一時、ニューペインティングが流行った頃を思い出します。

しかし、これは最近描かれたものなのです。

 

この絵は、6Bの鉛筆、アクリル絵具、白のクレヨンで描かれています。

遠くから見ている時は、黒のマジックで描いていると思って見ていました。

ほとんどの部分は、アクリル絵具で仕上げられていて、かすれた感じの部分も筆を使っている。

「そうなんだ・・・。」と思ってじっくり絵を眺めなおしました。

このピンク色も印象的で、ショッキングピンクに思える色。

よく見るとそんな派手ではなく、トーンは落ちているのが分かります。

ピンク色が好きな人なので、ピンクの色の幅が色々あり、ピンク色を使わせると、なかなか粋な感じ。

主人の絵は、時々「子供が描いたような絵」と言われるが、

その話をすると同業者からは、

「子供がこんな絵を描いたら怖いでしょ。」と言われます。

近年は、「仙人みたい。」と言われたりする風貌になってきているらしいが、

このようにハチャメチャな感覚を未だ持っています。

 

夕食を終えた頃、ヒロクニさんは、

「俺の絵は、愛なんだよ。」と言う。

私は、「愛って、いろいろあると思うけれど、どれなの?親の愛とか、夫婦愛だとか、子供への愛情とか、どの愛の話?」と、引き気味に言う。

あまり話題にしたくないような・・・。

何かしらねちっこいエネルギーを感じてしまうのでした。

続けて言うには、

「愛っていうけど、いわゆる“イデア”に近いもので、ヒューマンに近いかな?」と。

私はちょっとホッとして、「“イデア”の方なら、良かった。その方が安心な感じがする。」と言い、「その話なら、まだましよ。」と言った。

それから、いろいろ話を聞いていました。フンフンと相槌も打った記憶があるけれど、すべて忘れてしまった。

聞いている時は、「成るほど。」と思っていたのですが、ここに書こうと思ったら、まるで思い出せない。

“イデア”というのは、哲学者プラトンの造語なのですが、元々、「見るもの」「見られるもの」という語源からきているようで、一言でいうと、目にはみえない『魂という観点から見た純粋なもの。』と言ったらよいのだろうか?

もっと簡単に言うと「何故、我々は生きているのか?」を考える哲学と言い替えてもいいのかもしれない。

↑左がプラトン 右がアリストテレス

プラトンは、紀元前427年~347年の人 

この絵は、ミケランジェロ作

 

そう思うと、「君は、私を愛しているのか?」という問いは向けられないと思うので、ホッとしたのです。

我が夫は、西洋人みたいな感覚を持っていることがあって、凄く聞かれたりするのです。

私は、日本人らしく、そういう事を話題にするのは、気恥ずかしいので、「やめて・・・。」となります。

以前、「俺は、君のことを好きだと、何回も言っているが、君は、俺を好きだって言った事ないよねぇ~。」と詰め寄られ、

「もう、30年も一緒にいるのだから、それが答えでしょ。」と言うが、そういう時は、(それじゃあ物足りないのか、)「だったら、言え!。」と、催促されます。

こういうの苦手です。

だから、“イデア”の問題で、ホッとしています。

身内で褒めるのもなんですが、私より哲学書をきちんと読んでいるので、聞くと、簡単で分かり易く語ってくれるので、辞書代わりにヒロクニさんに、難しいことは聞くことがある。

しかし、辞書としては役に足ってくれるが、自身の話は、

「分かり難い上に、話の文脈が変わっていたりする上、話は長い。」

横になって休んでいる最中に、話かけられたりすると、

『寝たフリをする時があります。』

「もう、寝ちゃったの?」と何回も声をかけてくるのですが、

寝てしまっている演技をします。

最後に、ゆすって起こしに来ますから、その時は、

起きてしまったフリして、「すっかり寝てたわ。」と、白々しく言います。

 

いつも思うのですが、「愛」だの「イデア」だのと書いていたのに、

どうして「寝たフリ」の話に行き着いてしまうのでしょうか?

私も、ヒロクニさんと似た話の仕方なのでしょうか?

いまひとつ、理知的な美術家の妻になれない私のようです。

 

 

↑そんな日の夕食のメニュー

タラの白身フライ

タルタルソースたっぷり、きゅうり、たまねぎ、イタリアンパセリ、ゆで卵が入ったソース

サフランスープ(パエリアを作った時の残り汁を使って)

小松菜と油揚げの炒め物

厚揚げの煮物

錦糸卵(フライに使用した卵の残りを使って)

きゅうりのぬか漬け(いつもの自家製)

この日は、サフランスープのおかげで、豪華な感じに。

ところが「みそ汁の方が良かった。」と、ダメだしされるのでした。

 

 

↑夜、布団の上のピピ。

触られるのが好きなので、こうやっていると、延々目を閉じて寝ます。

 

↑この摘まんでいる部分の毛がとてもフカフカしていて、手触りがいい。

何されても、この状態を維持しているピピちゃんなのです。

夜は特に。

変哲のないサビ猫なのですが、思いのほか手触りがよく、兎に角、撫でて欲しい猫ちゃんで、こんなに密着型の猫は始めてです。

それが、また可愛い。

鼻と鼻をくっ付けたりしても、プイッと横に向かず、ズーと鼻がくっついた状態でジーとしています。動かないのです。

私の方が根負けして、鼻先を外します。

猫も、1匹、1匹、個性があるのですね。痛感します。

良人より猫の方が、可愛いと思う時があって、なんだか後ろめたい。

家の旦那は、かなりひつこいところが難点か?