真実 芸術(2023.6.19日作)
真実
物事の核心に迫る真実は 決して
言葉で表す事は出来ない深淵にある
言葉を並べ立てるだけの人間には
物事の核心 真実に迫り 掴み取る事は出来ない
理論 理屈は物事の表面をなぞるだけの行為
現実社会に於ける事象の真実は
そこに係わる実行者のみが知り得る事だ
芸術
芸術と言われる作品には
人がそこに自身の想念を重ね合わせ
思い描く事の出来る 香りが
含まれている
無味乾燥 香りも匂いもない作り物を
芸術作品と呼ぶことは出来ない
ただの見世物にしか過ぎない
老いてなお 健脚ほこり 野辺の花
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつか来た道 また行く道(29)
「そうですけど、何でしょうか。何の御用でしょう ?」
わたしは不審感と共に警戒心を滲ませて言った。
「中沢栄二の事でちょっと話しがしたいんだけど」
瞬間、ぼそっとした冴えない男の声に心臓を突き刺される思いがして息が止まった。瞬時に二、三日前に事務所の窓から見た男の姿が頭を過(よ)ぎった。
あの男だ !
刑事ではない、という思いがすぐに働いた。
心臓が激しく鼓動を打った。
頭が空白状態のまま何も考えられなかった。
何秒間かの後、ようやく我を取り戻して、
「中沢栄二って、誰の事ですか」
動揺する気持ちを抑えて極めて穏やかに聞いていた。
「俺の知り合いなんだけど、この所、ちょっと姿が見えないもんだから」
探りを入れるかのように男は微妙な言い回しで言った。
「それが、わたしに何の関係があるんですか。そんな人、わたしは知りません !」
中沢との関係を知っている ! その確信と共に激しい怒りに捉われ、叩き付けるように言って受話器を置いた。
中沢がクスリを買っていた男だ。
確信出来た。
体中が強張る思いだった。
電話はすぐにまた掛かって来た。
受話器を取らなかった。
程なくして電話は切れた。
その夜のうちに再び電話の鳴る事はなかった。
ベッドへ入る事も忘れていた。
気持ちが落ち着かなかった。
何度もソファーを立って窓辺へ行った。
マンションの前の大通りに人影はなかった。街灯だけが明るい光りを空虚な通りに投げ掛けていた。
その夜、わたしは少しでも眠ったのだろうか ?
自分でも判断出来なかった。ソファーに掛けたまま朝を迎えていた。
わたしは何時もと同じように出社した。
何時もと同じように仕事をした。
午前中に何度か、男の姿を確かめたくて窓辺へ行った。
男の姿はなかった。
午後四時過ぎに窓辺へ行った時、男は何時もの場所に立っていた。
やっぱり、と思った。予想していた事だった。
どうしよう・・・・
自分がどのように行動したらいいのか、判断が付かなかった。
それ以降、仕事が手に付かなかった。
気になって、何度も何度も窓辺へ行った。そして、五時過ぎに窓辺へ行った時には男の姿はなかった。
男は帰ったのか ? 何かを企んでいるのか ? 判断が付かなかった。
今日最後と思われる机の上の電話が鳴ったのは終業時間に近い時刻だった。
「はい、ブティック・美和です」
今日、何度もそうして受話器を取っていた。
男の姿を見るまでは、それが商談の電話である事を少しも疑っていなかった。伸びやかに腕は受話器に伸びていた。
だが、男の姿を見てからはベルが鳴る度に、心が凍るような思いに捉われた。
あの男からではないか ?
何度かは男からのものではなくて、その度に安堵の思いに胸をなでおろした。
それでも結局、今日最後と思われるその電話は安堵を打ち砕く男からのものだった。
男からだと分かった時、わたしは思わず受話器を置こうとした。
その手を止めたのは、先程見た男の姿だった。
男が確実にわたしという存在を把握していると分かった今では、この先、男がどのような行動に出て来るのか分からないーーその恐怖心がわたしを突き動かしていた。受話器を握ったままわたしは男の声を受け止めた。
「昨夜(ゆうべ)電話をした者(もん)だけど」
男は言った。
「だから、なんだって言うの」
怒りを滲ませて強く言った。
「話したい事があるんだ」
「あなた、いったい、何を言ってるのよ。うるさい人ね。何故、わたしがあなたなんかと話しをしなければならないの。第一、自分の名前も名乗らないで何を言ってるのよ」
「だから会って話しをすれば分かるって言うんだ」
「何が分かるって言うのよ」
「中沢栄二が居なくなっちゃったんだよ」
「それがどうしたって言うの。中沢栄二なんて一体、誰なの ? そんな人、わたしは知らないわよ」
「知らない訳がねえだろう。俺は奴から聞いてるんだ」
「あなたも変な人ねえ。警察に訴えるわよ」
「訴えたければ訴えればいいだろう。困るのはあんたの方じゃねえか」
男は居直ったように言った。
わたしは受話器を置いて電話を切った。
困るのはあんたの方じゃねえか・・・・。
一体、男は何処までわたしと中沢との関係を知っているのだろう ?
不安で一杯になった。
男は電話を掛け直して来た。
「なんで切っちゃうんだよお。切っても無駄だって事はあんたにもわがっだろう。こんな事を何時までも繰り返してると、そのうち、社員達に知られてしまうよ。それでもいいのかい」
男は静かな声で言ったが、その言葉にはわたしを恐怖のどん底に突き落とす響きが込められていた。
社員と言う言葉がわたしの心に突き刺さった。
わたしは言った。
「いいわ。あなたに会ってもいいわ。それで何が欲しいの ? お金 ? それでわたしを脅迫しているの ?」
「脅迫なんかしてねえよ。中沢栄二が何処に居るか教えてくれさえすりゃあ、それでいいんだよお」
「だから、そんな人は知らないって言ってるでしょう」
「知らねえ訳がねえって言うんだよお。俺にはあんたが中沢を知ってる確かな証拠があんだから」
「確かな証拠、その証拠って一体なんなの。教えてよ」
息がつまった。写真を持っているとでも言うのだろうか ?
「一体、あなた誰なの。名前を言いなさいよ。警察に訴えてやるから」
厚手の曇りガラス一枚隔てただけの隣室にいる秘書や社員達が気になった。
わたしの声はだんだん低くなっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
takeziisan様
季節はすっかり秋になってしまいました
光陰矢の如し 季節の穏やかな推移が無くなってしまったように思われます
そのためか 二 三日前に咲き始めた木犀 今年は例年のような強い香りがしないまま
この辺は雨ですので散ってしまいそうです ちよっと気抜けがしたり
寂しくもあります
今年も四台の扇風機 それにしても驚きです
今年の猛暑を扇風機で乗り切ったとは ! それだけ
自然の環境が違うのでしょうか いやあ 驚きです
秋の景色 堪能しました 奥那須秘湯 煙草屋旅館
いい風情ですね 那須地方へは行った事もありますが
那須 塩原と言う言葉に懐かしさを覚えます 身体の動けるうちに
また行ってみたいですがどうなる事やら
アルフレッド ハウゼ 懐かしいですね
何時聴いても良いです 郷愁を誘われます
カール ブッセ 山のあなたの空とおく
二十代の初め頃住んでいた街で駅からの帰り道
商店街の宣伝放送がよくこの詩を流していました
馴染み深い詩の一つです
秋の日のヴォロンのためいき
有名な詩ですが 現代の作家が訳したものは少し違っていて
正確に訳したのでしょうが 何か味気ない気がします
里の秋 以前にも書きましたが作詞者はわたくしの住んでいた村の
隣りの隣りの村の出身です ですから東北地方をイメージして書いたと言う
作者の言葉にも関わらず自分の住んでいた地方の風景が
多分に織り込まれているのだとわたくしは勝手に思ったりしています
実際 そのままの風景が折れ込まれています
懐かしい風景です
野菜の高い事 驚くばかりです
わたくしは滅多に観ないテレビの中でテレビ東京の「なぜそこに」という
山深い辺境に住む人を訪ねる番組が好きで時々 見るのですが
そこで自由に 川で魚を捕ったり 広々とした畑で
それこそ サルやイノシシたちと戦いながら自然の中で暮らしている人達を見ると
都会に住む人達よりはるかに人間としての豊かな生き方をしているなあ と
思い 改めて豊かさとは何かと思ったりしています
今回も美しい山岳写真を始め 楽しい記事を有り難う御座いました
桂蓮様
有難う御座います
新作が見えませんので旧作を逍遙していましたら
不眠症とツボの話しが出ていましたので拝見しました
以前 拝見した記憶がありますが改めてとても面白く拝見しました
耳の後ろ 顎との接点 ここは重要なツボのようです
わたくしも毎朝 目覚めた直後や洗面の後など人差し指と中指で耳を挟むようにして
必ず十回以上の 力一杯のマッサージをしています
ツボへの刺激 現代科学の信奉者は否定的かも知れませんが
侮れません わたくしは実際にそうして神経痛も治して来ましたし
現在もこの夏の猛暑で傷んだ膝の痛みを治しています
気温の低下による体の負担の軽減もあるのかも知れませんが
最近はほとんど痛みを感じなくなりつつあります
いずれにしても人の体も血行を良くして手入れをしなければ
衰えるばかりです 車と同じ事です 車でも手入れをしなければ
錆び付くばかりです
自分でやる 何事も人頼みでは長くは続かないし
自分の望む好結果も得られないのではないでしょうか
有難う御座いました
冒頭の様々なお写真 拝見する度に心洗われます
視覚芸術作品から香りが香る。
本当にはっとするお言葉ですね。
私はバレエでしか解釈できませんが、
下手な私からみても
なるほどーと思えてきますね。
今現在のマスター級のバレリーナの中で
香りを伝えられる人は
何人か見ました。
名前まで覚えていませんが、
舞をみて、バラの香りを嗅ぐような感じでしたね。
残念ながら、私のバレエ先生
プリマバレリーナでしたけど、
アメリカ移住して
アメリカ的なロシア人になりましたね。
5年か前に、信号待ちの時、
後ろから車が追突してきて
神経が切れてしまったようです。
首と背中の神経が切れて
今もいくつの神経が麻痺しているようです。
毎週水曜は、3コマ連続なので、
私のレッスンが終われば
先生にマッサージしてあげていますが、
ほぼ拷問レベルできつくしても
一度も痛いと言われたことが無いです。
もし痛いと言えば、私が辞めるかもと
思っているでしょう。
要は、あの事故が原因で
脂肪がついてしまったので、
香るような舞はできないことです。
でも深刻な事故だったので、
治るかも確かではないようです。
先生は兄しかいないようで
私は先生に姉妹みたいな感じですかね。
私もいつか、香れるような舞ができるでしょうかね。
いまだ、臭い舞しか出てこないのに
大きいすぎる夢でしょうかね。
最近、実はスランプでして、
パソコンも開かなければ
アクセスも確認しなかったです。
練習する気になれず、
レッスンだけで
難しいコンビネーションは
ついていけず、恥ずかしいと思ってますが、
かといって練習しないから
進歩が無い感じです。
怪我への恐怖は本当に大きいですね。
家で一人練習して悪化したから
練習しなければ進歩しないのに、
できずにいます。
大人クラスでは私しかポワント受ける人がいないので、
失敗すると本当に恥ずかしくなります。
しかも、みんな私が前に立つとか
先にいくことを言っているので、
間違うと本当にもうしわけない気持ちになります。
みんなが私はできると思っているらしいのですが、
私は失敗ばかりなので、
それがスランプに。
また愚痴になりましたね。
とにかく、私宛のコメントの中にある
たまささまの耳マッサージ、私もやってみますね。
今日は火曜で、なんだかストレッチする気になって
伸ばしてはいますが、
立ってジャンプの練習する気力が無くて
今、コメント書いています。
たまささまが元気で何よりです。