
「もう、誰よ、これー?」
見ると、……あっ、あー。
「いや俺じゃないよ」真っ先に否定する。

「じゃ、誰よ?」ちょっと考えて、息子の名を挙げる。
「あいつ、ほとんどポケットの中なんか見ないからな。可能性は高いよ。俺は出す時必ず見るから」

怒っているのを顔で表現しているおカミさん。

――前は、あ、あたしだったかも? と素直なときもあった。実際そうだった。
それなのに、今日は違う。確信的だ。

それは全ての洗濯物に波及していた。
トホホと途方に暮れた顔のカミさん。

へばりついた恰好の、こま切れになったティッシュの残骸を一つ一つ剥がしている。


