
隣の女性が後ろを振り向く。


私は、少しドキっとする。

そしてそっと窺う。


女性に若い男の何処かが触れたのかもしれない。そして若い女性は意識が集中するあまり、ちょっとしたことにも、異変と感ずるようになっているのかもしれない、と自己判断。
もし、あまりひどいようだったら男の手を掴もう、と頭の中の思考回路はでぐるぐると回った。

電車の中も、アニキン爺さんのように、もう何ものにも全く反応しなくなったという者だけが乗れば、電車の中も平和になるのになー、と思う。



私はまだ若いが、その域に達するように修行中だ。


