田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ライトスタッフ』

2016-02-15 08:57:57 | All About おすすめ映画

『ライトスタッフ』 (84)(1984.11.7.銀座文化

アメリカの宇宙航空史の序章



 この映画は、米ソの“宇宙開拓戦争”を背景に、アメリカの宇宙航空史の序章を描きます。原作はトム・ウルフの同名記録小説。タイトルの「ライトスタッフ」とは「正しい資質」を表わします。

 この映画は、表向きは7人の宇宙飛行士候補生が体験する過酷な訓練、葛藤、友情、挫折と栄光、そして彼らの家族の姿を描いた群像劇です。ところが真の主役は、彼らの活躍を横目で見ながらテストパイロットとして“最速”に挑戦し続けた孤高の男チャック・イェーガー(サム・シェパード)なのです。監督のフィリップ・カウフマンは、イェーガーと7人の夢や生き方の違いを対照的に描きながら、道は違えど己の信じる道を貫き通した男たちの物語として昇華させました。

 イェーガー役のシェパードを筆頭に、後にスターとなったスコット・グレン、フレッド・ウォード、エド・ハリス、デニス・クエイド、ランス・ヘンリクセン、ジェフ・ゴールドブラムらが出演しているのも見どころです。

 また、製作アーウィン・ウィンクラー&ロバート・チャートフ、音楽ビル・コンティという布陣は『ロッキー』(77)と同じ。題材は違いますが、どちらもアメリカンドリーム讃歌を描いたという点で共通します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする