『トワイライトゾーン/超次元の体験』(83)
80年代を代表する監督たちによるオムニバス映画
この映画は、ロッド・サーリングが案内役を務め、1959年から1964年までテレビで放送された1話完結のSFドラマ『ミステリーゾーン』を基に製作された、四つの物語からなるオムニバス映画です。
監督は80年代を代表するジョン・ランディス、スティーブン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラー。全体のプロローグとエピローグはランディスが担当しました。彼らが子供の頃に親しんだオリジナルドラマに敬意を表し、楽しみながら作った様子が画面からあふれます。
ランディスが監督した第1話は、白人の差別主義者が突然さまざまな時代にトリップし、ユダヤ人、黒人、アジア人と間違われて迫害されるというブラックユーモアに満ちた一編。演じたビック・モローが撮影中に事故死したことで、当初の設定から変更を余儀なくされたのが残念です。
スピルバーグの第2話は、老人ホームの住人たちが、魔法の缶けり遊びで若返るというメルヘンファンタジー。同時代に作られたロン・ハワードの『コクーン』(85)にも通じる話です。
ダンテの第3話は、超能力少年の行動をグロテスクで漫画チックなコメディとして描きました。これは、同じく彼が監督した『グレムリン』(84)と同じ手法です。
最後を飾るミラーの第4話は、飛行機恐怖症の男が上空で見た悪夢をシュールに描いた秀逸な一編。ジョン・リスゴウの好演が光ります。
4人の監督の異なったアプローチによる多様性が楽しめるSF映画です。