『世にも不思議なアメージング・ストーリー』(86)
80年代が懐かしく思い出されるテレビシリーズ
スティーブン・スピルバーグが、少年時代に熱中した『ミステリー・ゾーン』を目指して製作したテレビシリーズの中から、3話を選んでオムニバス映画にしました。
スピルバークが自ら監督した「最後のミッション」の舞台は第二次大戦下。車輪を失った爆撃機の奇跡の帰還を、お得意のファンタジーとして描いています。80年代を代表するスターの一人、ケビン・コスナーが機長を演じています。
ミイラ男を演じる俳優の受難を描いたウィリアム・ディア監督の「パパはミイラ」は、ホラーとコメディが共存した傑作。この後ディアは、同種の味わいを持った佳作『ハリーとヘンダスン一家』(87)と『エンジェルス』(95)を監督しています。
ロバート・ゼメキスの「真夜中の呪文」は、学生が陰湿な教授と対決するブラックホラー。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)でドクを演じたクリストファー・ロイドが、グロテスクで意地悪な教授を演じています。
このシリーズは他のエピソードも、数本まとめてテレビの洋画劇場でよく放映されていましたし、レンタルビデオ店でもよく見掛けました。その中にはクリント・イーストウッドやマーティン・スコセッシの監督作も含まれていました。バラエティに富んだこのシリーズの存在を通して、80年代を懐かしく思い出す方も多いのではないでしょうか。